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民主党の施策に商品取引会社が警戒

民主党の施策に商品取引会社が警戒

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(日本経済新聞09/10/6から引用、抜粋)
商品先物業界で、鳩山新政権発足後、規制強化の流れが強まるとの警戒感が広がっている。09年7月に成立した改正商品取引所法は民主党の意向を受けて商品取引会社にとって厳しい営業規制が盛り込まれ、10月8日から3段階に分けて施行される。
改正商取法では、民主党の主張で要請していない消費者へ電話や訪問などによる営業をかける「不招請勧誘」の原則禁止が盛り込まれた。
損失限定取引(ロスカット)に限っては例外としたが、電話営業などに依存する商取会社にとっては命綱だ。
損失限定取引でも、商いが少ない(薄い)状態だと希望通りの価格で約定できず、想定外の損失が膨らむことが少なくない。
その場合、厳密に法解釈すれば不招請勧誘の要件を満たせないので、違法行為になる。その結果、商品取引会社が違法とならないように、想定外の損失を補填しなければならなくなる。
危機感を強めた業界団体の日本商品先物振興協会は今後、経済産業省と農林水産省に向けて要望をまとめる。
ただ、先物取引を巡るトラブルが絶えないのも事実だ。
さらに、08年に国民新党が出した「緊急金融安定化対策」には日経平均先物廃止が盛り込まれた。
新政権下で市場全体が停滞するようだと、「シンガポールに地位を奪われかねない」(アストマックス社長)懸念もある。

(引用終わり)

コメント:このサイトでも何度か書いていますが、商品取引所法が年々厳しい規制を取り入れているのは、商品先物取引のトラブルが多いからです。

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商品先物はレバレッジが高いので(工夫して低くはできますが)、いざ損をしたときの損失額が非常に大きくなってしまいがちです。

もちろんこれは、レバレッジの高い取引をする投資家の責任です。ただし、高レバレッジの取引の危険性をよく理解できない人やこうした取引を望まない人にまで営業をかけて取引を持ちかけてきた一部の悪徳業者にも大きな責任があります。

そのために、「商品先物は危ない」というイメージが世間に広がってしまったのです。

実際、規制が厳しくなる前は、私の家にもある悪徳業者から勧誘の電話がかかってきたことがあります。

もちろんこうした悪徳業者を行政も処分してきましたが、それでもトラブルが絶えなかったのですから、規制を厳しくするのは当たり前です。

ただし、損失限定取引での想定外の損失を業者が負担するというのはおかしいです。

まずは判断能力の不十分な人や取引を望まない人に営業をしない。そして商品先物取引をしたいという人にはリスクの説明を十分にする。

あるいは業者は顧客から受けた注文はかならず執行する。業者が根拠のない「大豆が上がりますよ」というような情報を顧客に提供しない。規制はそこまでで十分なはずです。


余計な規制は不要だ

そこから先は、投資家の自己責任です。投資家がリスクを分かった上で、自分の判断でする取引なのですから、損失限定取引の損失補てんを業者がする必要はありません。

例えば株式投資では出来高の少ない薄商いの銘柄を売買するなら、値が付かなかったり値動きがぎくしゃくするリスクは十分承知した上でのことです。自己責任です。

それなのに先物取引では損失が補填されるというのはおかしいです。

一方、商品先物業界は売買が減ってかなり厳しい状態です。前述のように業界が自浄作用を発揮してこなかった=悪徳業者がなくならなかったのが大きな原因ですから業界の自業自得の部分もあります。

ただ、必要な規制はしたうえで、それでも売買が減るのはよくないことです。なぜなら、商品先物市場は生産者や商社などが現物取引に伴うリスクを減らす(ヘッジ)するための、市場経済に欠かせない市場だからです。

結論は、投資家保護のための必要な規制は必要ですし、同時に悪徳業者は厳正に処分して業界の改善をします。その上で先物市場は他国に負けないように繁栄しなければならないと思います。


日経平均先物廃止?

最後に、国民新党が日経平均先物廃止を提言している点について、私は反対です。おそらく国民新党のお考えはこういうことでしょう。

日経平均先物取引は売りから入れる(株でいう空売りができる)。そうすると、金融危機になりそうだと思った投資家が先物の売りをする。

そうすると日経平均先物が値下がりして、それに釣られて現物の日経平均株価も下がる。そうすると株安になって日本経済が不況になる。それを防ごうということでしょう。

もちろん一理あります。しかし日経平均先物をなくせばどうなるでしょうか。

例えば株の現物を持っている投資家や大型株を組み入れた投資信託を買っている投資家が相場が下がりそうだと思ったとき、日経平均先物があればそれを売ればそれ以上の株などの値下がりをヘッジできます。

しかし日経平均先物がなければ、株の現物や投資信託を売るしかありません。そうなれば日経平均株価は下がるでしょう。結局同じことです。

また、日経平均先物の売りは、後で決済するために買い戻さなければなりません(返済買い)。そのため、相場の下げ止まりに一役買います。

他方で日経平均先物がなければ前述のように現物の株や投資信託を手放した人は買い戻す義務などありません。

つまり、日経平均先物があれば後で必ず買い戻しますが、先物がなければ相場が大きく下がっても投資家が必ずしも株を買うわけではありません。

こういったことから、日経平均先物の廃止が株価の下落を止めるのに効果があるとは思えません。そもそも市場のことはなるべく市場に任せるべきで、政府が介入したり規制するのは最低限にすべきです。

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