ホーム » 商品先物取引 »

商品取引所社長へのインタビュー

商品取引所社長へのインタビュー

スポンサード リンク

Pocket

日経新聞に「正念場に立つ商品取引所」という記事が掲載され、そのなかで商品取引所社長へのインタビューがされていました。私も低迷が続く商品先物業界には健全な成長を期待しているので、ご紹介します。

(日本経済新聞10/5/20から引用、抜粋)(東京工業品取引所社長 江崎格氏)
(売買高の減少が続いている原因は)国際競争力が劣っていたためだ。システムやルールが国際標準に合っていなかった。
法改正による勧誘規制や、過去数年の激しい価格変動で石油市場から投資家が引いたことも響いた。
市場で常時売りと買いの価格を提示するマーケット・メーカー制度を取り入れ取引の厚みを確保したい。
商品取引会社の個人への勧誘が一段と規制される。
東工取の商品の値動きに連動した上場投資信託(ETF)などプロが組成した投信や指数商品なら投資の初心者が参入してくる可能性がある。
(東京穀物商品取引所社長 渡辺好明氏)

(売買高減少が続いていることについて)取引を望んでいない顧客に営業する不招請(ふしょうせい)勧誘が原則禁止されるようになるなど規制が強化されてきたことにつきる。
コメなど国が市場を管理してきた影響で自由な取引が育たなかった部分もある。
(来年1月に東京工業品取引所とシステムを統合することについて)夜間取引が可能になり海外からの取引参加者の拡大が期待できる。商品取引会社は二重投資が解消され負担が減る。
(来春にもコメの再上場の申請をしていることについて)上場商品のバラエティーを広げていく必要がある。
(中部大阪商品取引所が解散する方針だが)もし本当なら残念だ。日本全体で考えても複数の取引所が競い合ったほうがいい。

(引用終わり)

コメント:まず東京工業品取引所社長のインタビューについて。売買高減少の原因がまず、国際競争力が劣っていたためとあります。

もちろん国際的にはそうでしょうが、国内の需要を伸ばす方が先決ではないでしょうか。

スポンサード リンク

その国内の売買が不振なのは、法改正によって勧誘規制が強化されたためです。しかしどうもその原因に関する反省が業界全体として不十分な気がするのは私だけでしょうか。

まるで法律が改正されたのが悪いというような言い方が多いですが、業界の外から見れば、法律が改正されて規制が強化されたのは、一部の悪徳業者が顧客に対して不正を続けてきたからでしょう。

高いレバレッジでリスクが高いうえに、悪徳業者が排除されていないのなら、そんな商品に投資しようとする投資家が減って当然です。

法律が改正されたのは個人投資家保護のためです。その法律が悪いような言い方はおかしいと思います。

業界としてまず取り組むべきは、不正を行う業者の徹底排除ではないですか。それをせずにシステムに投資したりしても、焼け石に水だと思います。


石油市場の価格変動

次に、石油市場の価格変動が激しかったので投資家が引いたという点。これは石油市場はリスクヘッジ目的で先物取引を利用する企業などが多いでしょうから、その通りだと思います。

しかし、価格変動が大きいからこそリスクヘッジをする必要があるのであって、これは利用する投資家側にも上手な売買をすることが求められるでしょう。

マーケット・メーカー制度は株式市場のジャスダックで一部採用されていますが、デメリットもあるそうです。この点については良否が私には分かりません。

ただ、取引の厚みを確保しようとする方針には賛成です。売買高が低い(流動性の低い)銘柄は個人投資家にとっても利用しづらいですから。

個人への勧誘が一段と規制されるという点について、「商品先物業界への不信感が根強いことが原因ですから、不正を行う業者を排除するよう業界全体で努力しなければいけません」というようなコメントが欲しかったですね。

業界が自浄能力を発揮しない限り、悪徳業者が不正を続けるでしょう。その結果、商品先物取引に参加しようという個人投資家は減る一方でしょうね。

それはさておき、商品関連のETFや指数商品のラインナップが増えれば、投資家にとってはうれしいことです。

江崎氏はネット取引にも期待するとおっしゃっています。ネット取引で業者から余計な営業の電話などかかってこない方が多くの投資家も歓迎すると思います。

次に東京穀物商品取引所社長のインタビューについて。こちらは売買高減少の原因は規制強化が最初に来ています。

もっとも業界の徹底的な浄化が必要だというようなコメントがないのが残念なのは同じですが。

東京工業品取引所とシステムを統合して海外からの参加者が増えることは、流動性が高くなるので個人投資家にとっても売買しやすくなるので歓迎します。

商品取引会社が二重投資から開放されるというのは、これまでは二つの取引所用のシステムが必要だったのが1つで済むようになるからでしょう。

これも手数料下げにつながるかもしれませんし、良いことだと思います。


コメの上場

コメ(米)の上場について。これはメリット(長所)とデメリット(短所)とがありますね。

もちろん取引所にとっては投資家が増えますのでよいことです。投資家にとっても、売買できる銘柄の幅が増えてよいことです。

また、コメの生産者(米農家)にとっては、将来の価格が下がるリスクをヘッジするために先物取引が利用できます。

同じく、米を原料として使うメーカーなどは、将来の価格が上がるリスクをヘッジするために利用できます。

一方でデメリットは、価格が乱高下して、先物によるヘッジをうまくできなかったり、そもそも先物取引を利用しない生産者やメーカーなどがその悪影響を受けるということが考えられます。

市場参加者が増えれば増えるほど、適正な価格が付きやすいともいえますが、逆に多くの参加者が買いや売りのどちらかに偏りすぎると、価格の乱高下は起こりえます。

市場は自由であるべきだと考えれば、コメを上場したほうがよいことになります。逆に、市場に任せすぎると危険だと考えれば、上場しない方がよいということになります。

上場する場合、先物取引を利用しない農家などに悪影響が及ぶこともあるでしょうし、先物取引を利用する企業や個人も勉強が必要となります。

私としては、なるべく経済活動は自由な方がよいと思っていますので、コメが上場されればいろいろメリットが生まれると思います。

しかし上場するなら、上記のデメリットをなるべく減らすような努力もされるべきでしょう。

例えば証拠金率を高くして、過度にレバレッジをかけられないようにして安全性を高めるというような方法はどうでしょうか。


中部大阪商品取引所

最後に、中部大阪商品取引所の解散について。やはり渡辺氏のおっしゃるように複数の取引所が競い合うことでよりよいサービスが生まれると思います。そのため解散は残念なことです。

しかし、商品先物業界の悪徳業者への処分は不十分だと思います。このまま自浄能力が発揮できないなら、いっそ証券取引所に統合されて今より厳しい監視の下で業界が浄化された方が、かえって良いかなとも思います。

ということで、商品取引所や業界に望むのは、なにより一部の悪質業者への厳しい処分です。

Pocket

スポンサード リンク

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)