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海外商品先物オプション取引で詐欺事件

海外商品先物オプション取引で詐欺事件

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(読売新聞10/9/25夕刊から引用)
東京都品川区の先物取引会社「トレイダーズ・エクストリム・カンパニー」(破産手続き中)が海外商品先物オプション取引で顧客から得た資金をだまし取ったとして、岩手県警は元社長ら十数人について、詐欺容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた。

捜査関係者によると、被害者は、同県を中心に埼玉県や千葉県など400人を超え、被害額は約23億円に上るとみられる。(中略)

同社は2007年夏ごろから翌年夏ごろにかけて、主に高齢者を狙って「絶対にもうかる」などと、金などの先物商品を売り買いする権利を売買する海外先物オプション取引を勧める電話を繰り返しかけ、資金を集めていたという。

資金のうち、実際に投資に使われたのは、1割にも満たないという。

経済産業省は昨年8月、顧客への虚偽の説明や返金に応じないなどの違反行為があったとして、特定商取引法に基づき、同社に対し9ヶ月の業務停止命令を出していた。(引用終わり)

とても残念なニュースです。被害総額が23億円とは、ひどいですね。

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上記記事によると、被害者は高齢者が中心だったようです。想像するに、被害者の方の多くはそもそも海外先物オプションがどういう取引かわからないままに、騙されてしまったのではないでしょうか。本当にひどいです。

まず、一般に高齢の方はどうしても判断能力が十分でない方も少なくありません。そこで、成年後見制度もつくられました。これは弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家やご家族などに代理人になってもらうことで、財産管理等について正しい判断をしてもらうというものです。


なぜ海外か

よい制度だと思うのですが、専門家に頼む場合には費用がかかります。また、家族に頼む場合には後見人になった人が自分の利益になるように行動してしまう懸念もあります。

そのため、需要はあるのに十分に活用されていないのが現状だそうです。お年寄りの財産を守るためによい制度なのに、残念です。

そうしますと、こうした悪徳業者に騙されていないか、ご家族などが気をつけてあげるくらいしか対策がないと思います。

次に、なぜ海外の商品先物取引かと申しますと、国内の商品先物取引は法律で勧誘などが厳しく規制されています。一方海外なら、2011年からは規制されるのですが、それまでは法規制がおよばないのです。

そこで、悪徳業者が海外商品先物を扱うのです。なお、「絶対に儲かる」と言って勧誘するのは、金融商品取引法で規制されていますし、刑法の詐欺罪や今回のように特定商取引法違反になります。

そのため、「絶対に儲かる」という勧誘は絶対に信じないようにしましょう。

次に、そもそも海外商品先物オプションとはどういう取引かということをご説明します。

まず、海外商品先物は、海外市場で商品先物取引をするものです。国内の商品先物だけでも、限月制があり、またレバレッジが高いために、内容を十分に理解して参加する必要があります。


オプション取引の実例

なお、国内の商品先物取引は、悪徳業者も一部いるのが残念ですが、それ自体は商取引に欠かせないまっとうなものです。

そして、その海外版ですから、さらに理解が難しくなりますし、情報も得にくいです。事実、私も海外の先物となると、言葉の壁もあってほとんど知識がありません(手がけていないからという理由もありますが)。

さらにまた、そのオプション取引なのです。オプションというのは権利のことです。つまり、先物のオプションということは、例えば大豆の4月限を5万円で買う権利を買ったり売ったりするということになります。

そしてその権利を買う方はプレミアムという権利料を売り方に支払うことになります。

その後、権利を買った人は権利を行使してもよいですし、使わなくても良いのです。ただしプレミアムはその分だけ損します。

権利を売った方は、プレミアムを必ず得ることができるので、その分は得をします。しかし、もし見込みと違った時でも、権利の買い手がそれを行使すれば、必ずその取引に応じないといけません。

例えば、先ほどの例で甲さんが大豆の先物を7万円で買っていたとします。その後、甲さんは大豆が値下がりすると踏んで、乙さんに買う権利(コール)を売ったとします。乙さんは大豆が値上がりすると考えています。

その後、大豆の先物が値上がりして、6万円になりました。乙さんは権利を実行して、甲さんから5万円で大豆の先物を買います。

この結果、乙さんは6-5万円で1万円の儲けが出ました。ただ、甲さんに払ったプレミアムは損となります。一方、甲さんは7万円で買った先物を乙さんに5万円で売ったので、2万円からプレミアムを引いた金額分、損をしてしまいました。

このように、オプション取引というのは、売り手は(コールでもプットでも)利益がプレミアムに限定される一方、損失は無制限になってしまいます。

一方、買い手は利益無制限、損失有限となります。

なお、売る権利(プット)の売買はもっと話が複雑になってしまいます。それは、株式投資で言う空売り(カラ売り)を理解している必要があるからです。

このように、オプション取引というものは、とても複雑なデリバティブ(金融派生商品)なのです。そのため、これに詳しい投資家ならともかく、知識に乏しい人にこうした商品を売りつけるというのは本当におかしいです。

ただ、誤解していただきたくないのは、こうした先物取引やオプション取引自体は、決して不正なものではありません。先物取引は商品を売買する農家や商社などが、将来の価格変動リスクをヘッジするために欠かせない優れた仕組みです。

また、オプションも損失限定取引と言われるように、正しく利用すれば、リスクを最初から少なくできる上に、相場が見込み通り動けば多くの利益が得られるという合理的なシステムです。

そのため、一部の悪徳業者が、こうした複雑な取引を「必ずもうかる」などと持ちかけて、損失を被らせることには強い怒りを感じるのです。

さて、こうした海外先物取引も、来年からは法規制されるため、それに関わる詐欺も減るだろうと期待しています。

一方で、投資話を持ちかけられた方は、「絶対にもうかる」などの文言は違法であることや、そもそも絶対に利益を出せる投資はないということにお気をつけください。

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