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人気の社債投資の解説 選び方、信用力の見極め、銀行劣後債など

人気の社債投資の解説 選び方、信用力の見極め、銀行劣後債など

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(日本経済新聞12/8/15の要旨)個人向け社債の発行額は1-8月の累計で昨年の同時期に比べ6割も増えている。

社債は購入単位が100万円や10万円などと、機関投資家が売買する社債が1億円単位なのに比べ小口で投資できるのが特徴だ。

大和証券の亀井靖彦債券営業部副部長は「中高年層が、株式に比べ安全で国債より利回りが高いと見て国債を買っている。一度の購入額は平均300万円で、1000万円単位で買う人もいる」と話す。

実は、今年発行した個人向け社債のうち半分以上が、銀行など金融機関が発行する劣後債だ。

発行企業が仮に経営破綻した際の返済順位が通常の社債に「劣後」する代わりに、利率を高くした社債だ。

3日には中京銀行が50億円の個人向け劣後債を発行した。当初5年の金利は1.29%と、同じ年限の一般企業の社債利回りを大きく上回る。

金融機関が期間10年として発行する劣後債は、当初の5年間だけ固定金利で、残り5年は変動金利になるタイプが多い。発行から5年後に金融機関側の都合で繰り上げ償還できる条項もついている。

10日から募集を始めたフランスの大手金融機関クレディ・アグリコルの期間4年の社債は、利率が1.31%と、日本企業の同じ年限の社債と比べ高い。

個人向け社債は企業が新規に社債を発行する際に、取り扱っている証券会社に申し込んで買うのが一般的だ。募集期間も通常は1-2週間と短い。

社債を買ううえで気をつける必要があるのは、発行企業の信用力だ。

流動性の低さも忘れてはいけない。満期を迎える前に社債を売る場合、通常は社債を購入した証券会社に行けば買い取ってくれるが、証券会社は実質的な手数料を差し引いた価格で買い取るので、元本割れでの売却を余儀なくされることもある。

自分が持っている社債の価値を知りたい場合は、日本証券業協会がネット上で公表する「個人向け社債等の店頭気配情報」も参考になるだろう。

ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏は「トリプルB格の社債なら期間2-3年、それ以上の格付けでも期間5年以下に投資先を絞り、満期までの保有を前提に購入を考えるとよいだろう」と話している。(要旨終わり)

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最近人気のある社債の解説記事です。まずなぜ人気があるかですが、第一に満期まで保有すれば、原則元本と利息が支払われることにあります。この点、株式は株価が値下がりしてしまえば大きな損失が出ることもあります。

その意味で社債は比較的安全性が高いです。特にリーマン・ショックでの世界同時株安は記憶にあたらしいので、株のハイリスクを嫌う投資家も多いでしょう。

第二に、利回りが高いことです。債券投資でいえば日本国債がありますが、個人向け国債の最近の5年物は0.19%の利率です。御存知の通り銀行預金も普通でも定期でも利率は低いです。

その点、国債なら1%を超えるものも少なくありません。

一度の購入平均金額は300万円だそうですね。1%の利回りとして、税を考慮しないで計算しますと、1年に3万円の利益です。年限(満期までの期間)が5年ですとトータルで15万円のインカムゲインになります。

もっと景気の良い想定をしますと、1億円の資産がある人なら、1年で100万円もの利益になります。もっとも全財産を社債購入に充てるかどうかは別問題です。

引用記事には今年発行された主な社債の一覧が乗っています。普通社債では、例えば全日本空輸(ANA)は表面利率(額面金額に対する利率)が1%です。

オリックスも0.902%です。


銀行劣後債

次に銀行劣後債です。何が劣後するのかといえば、経営破綻したときに債権者に債権が弁済されますが、その順位が劣後するのです。

つまり、経営破綻してしまえばハイリスクですが、そうならない限りはその分高い利回りが設定されているというわけです。

これらは年限が10年に設定されていることが多いようで、当初5年の利回りはたしかに高いです。例えば池田泉州銀行が2.23%、みずほ銀行が1.67%、りそな銀行が1.47%となっています。

そして残り5年は変動金利(LIBORに一定程度プラスされるなど)になるものが多いようです。調べてみると、5年で繰上償還になることが多いようですね。

なぜ銀行がこうした劣後債を発行するのかといいますと、劣後債は上述のように破綻したときでも弁済順位が低くなります。そのため、一部を自己資本に計上できるのです。

つまり、銀行にとっては資本増強できるわけです。私にとっても、日本国債を保有しすぎている銀行は金利が上がったりすると大丈夫かなという心配がありますから、よいことだと思います。

こうした銀行の劣後債を買うかどうかは、つまりはその銀行が経営破綻してしまうかどうかにかかっています。多くが5年で償還されるのであれば、5年後にどうなっているかを考えることになります。

今から5年後といえば2017年。2020年辺りに日本は財政危機を迎えるという意見は少なくありません。借金(累積債務)が多くなりすぎて、国内での国債消化が難しくなるからです。

ただ、日本政府が財政再建のために努力し続ければ、そのリスクは低くなります。消費増税は決定しましたので、17年くらいなら大丈夫である可能性が高いと思います。

ただ、その頃には財政危機とまではいかなくても、金利が上がっているかもしれません。それでもよいのであれば、買うのもひとつの手だと思います。

ただ、債券にこだわるのでなければ、私なら東証一部上場の株式で、財務安全性が高く、しかも割安で配当している銘柄を買います。株ならいつでも売れますし、配当利回りは社債より高いものが多いからです。

もちろん株価値下がりのリスクがありますので、割安な銘柄にするわけです。

また、同じ社債でも、上記のことを考えますと、企業の起債する(発行する)普通社債の方がよいかもしれません。確かに銀行の劣後債よりも利回りは低いですが、年限が4年というものもあるからです。


欧州銀行の社債

欧州はご存知のように、各国の債務問題に揺れています。現地の銀行も財政が悪い国の国債を保有していたりしていたので、財務立て直しに必死のはずです。

そこで、欧州の銀行が日本の個人マネーを集めるために、円建ての社債を発行しているそうです。例えばフランスのクレディ・アグリコルの4年物の社債は利回り1.31%です。

インターネット取引による募集は即日完売だったそうです。


社債はどうやって買うか

社債を買う場合は、その会社の社債を取り扱っている証券会社に申し込むのが普通です。日本経済新聞などにも募集広告が出ることがあります。

私の利用しているSBI証券でもオリックスの社債などを扱っています。

これぞという社債を見つけたら、早く申し込むのがよさそうです。

さて、社債は比較的安全性の高い金融商品ですが、何より大事なのは発行企業の信用性を確かめることです。その企業が万一倒産などしてしまえば、最悪の場合紙切れになってしまうからです。

そのためにはどうすればよいでしょうか。第一に、その企業の格付をチェックするのが手軽です。例えば日本格付研究所(JCR)の格付けがよいでしょう。

ただ、私は自分でも確かめないと気が済まないので、その企業の財務もチェックします。自己資本比率は高いほうがよく、できれば30%、最低25%は欲しいところです。

自己資本比率が25%未満ならすぐに危ないということはないのですが、社債は数年間にわたって保有しないと、途中で売却するとなると元本割れになってしまうことが多いです。

そのため、厳しく財務をチェックするわけです。次にDEレシオ(有利子負債と自己資本の額の割合)をチェックします。1を超える銘柄は止めておいたほうがよいでしょう。

業績も大事です。私は経常利益(本業以外も含めた業務による損益)を見ますが、営業利益(本業だけの損益)でもよいです。これが赤字続きであれば、注意すべきです。

これらのチェックポイントがOKなら、まず心配はいりません。ちなみに一般に社債の利回りはリスクを反映していますから、あまりに高い利回りの社債は、特に十分なチェックが必要です。

社債の具体例としてオリックスを見てみましょう。連結決算と単独決算があれば連結を見ます。グループ全体の決算を表しているからです。

同社の場合、業績はよいのですが自己資本比率が低く、DEレシオも高いので前述の基準はクリアできていません。ただ、同社は金融を扱っており、そういう企業は自己資本比率が低く、DEレシオが高くなる傾向にあります。

そして自己資本額は1兆4000億円もあるので、まず心配はいらないと思います。

オリックスはやや特殊だったので他の企業も見てみましたが、ANAは自己資本比率が低く、丸紅もクレディセゾンもそうでした。

ただ、これらの企業は格付けは高く、社債を買ってもたいてい大丈夫です。それでも、年限が3年くらいならまだしも、4から5年になりますと、私はどうかなと考えてしまいました。

それだったら、前述のように割安で安全な株式を買うからです。というわけで上記の財務などの基準は厳しすぎたかもしれませんので、格付けだけを参考にして、引用記事最後の紀平さんのおっしゃるように買ってもよいのかもしれません。

社債は年限が長ければ長いほど、利率が高くなる代わりにリスクも高まる点にはご注意ください。

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