ホーム » 債券投資 »

国債の将来の安全性と、財政破綻から資産を守る方法

国債の将来の安全性と、財政破綻から資産を守る方法

スポンサード リンク

Pocket

(読売新聞10/4/29から引用、抜粋)
今年2月、ロンドンで日本国債の現状を説明して回った財務省担当者は、現地の投資家から思わぬ質問を浴びせられた。「日本はいつ財政破綻するのか」
日本の財政悪化から金利が急上昇するという説は10年以上も前から出ては消えてを繰り返し、「オオカミ少年」にも例えられる。28日の長期金利は年1.3パーセントを割り込んだものの、海外投資家の間では、「金利高騰というオオカミは必ず来る」との見方が広がってきた。
昨年秋、欧米のヘッジファンドの一部が「日本売り」を合言葉に、将来の日本国債の暴落を予想して長期金利が急騰すればもうかる取引を積極化した。鳩山政権の誕生で国債大量発行の懸念が強まっていたことが背景にあった。
日本の国債市場を支えてきたのは、約1400兆円の個人金融資産だ。国債の約95パーセントが国内で保有され、3から5割を海外に頼る欧米諸国とは違う。
しかし、少子高齢化で個人の貯蓄率が低下すれば、国債の引き受け手を海外に求めざるを得ない。10年度末の国と地方の長期債務残高は862兆円になる見通しで、数年以内にも住宅ローンなどの負債を除いた個人資産(1086兆円)を逆転するペースだ。
すでに、国や企業が債務不履行に陥った時に保証される「CDS」(クレジット・デフォルト・スワップ)と呼ばれる取引では異変が見られる。
日本国債の「保証料率」が年明けに昨秋の2倍に上昇し、中国を上回った。日本の「倒産」が現実味を増し、日本国債は中国国債より信用できないと市場がみなし始めたとも言える。
日本の長期金利が低水準にとどまっているのは、金融機関が大量の資金をもてあまし、国債を買っている影響も大きい。しかし、ギリシャの例をみても、市場が疑心暗鬼になったとたん、財政危機が襲う。
財務省の国債担当者は、「金利上昇という気味悪さで寿命が縮まる」とため息をつく。日興コーディアル証券の末沢豪謙氏も、「数年は大丈夫でも、財政再建を急がないと手遅れになる」と警鐘を鳴らす。
日本の財政悪化が進む中でも、長期金利が低水準で安定しているのは、物価で下落するデフレが続く中で、なお国債の買い手が多いためだ。
しかし、米国や英国などの主要先進国の長期金利は3から4パーセント前後で、日本も中長期的に金利上昇が避けられないとの見方が多い。
長期金利は、流通量が多い新発10年物国債の流通利回りが代表的な指数だ。
国債に対する需給のバランスで、国債価格と金利は裏腹な関係にある。国債の人気が高く購入者が増えると価格は上がり、金利は下がる。一方、購入者が少なければ価格は下がり、金利は上がる。
一般的に景気が回復すると、投資資金は安全資産の債券からリスクの高い株式に向かい、金利は上昇する。
財政が悪化し、国債を償還できない危険性が高まった場合、投資家は高い金利がつかなければ国債を買わなくなる。
財政危機にあるギリシャの長期金利は、昨年10月は年4パーセント台だったが、国債の格下げをきっかけに年10パーセント以上に急騰している。
金利の変動は国民生活に大きな影響を及ぼす。金利上昇で預金金利は上がるが、住宅ローン金利も高くなり、個人消費の低迷につながる恐れがある。
金利上昇は、国による利払い負担の増加を招く。財務省の試算では、13年度に長期金利が想定(年2.6パーセント)より1パーセント上がると、国債の利払いや償還などにかかるコストである「国債費」は4.3兆円増えるという。
10年度予算は、すでに国債発行額が税収を上回るという異常事態で、財政への懸念が高まっている。

(引用終わり)

コメント:今回の記事は内容が重いものでした。といっても、それだけ日本の財政の先行きが暗いから仕方ないのですが。

スポンサード リンク

記事の冒頭で、ロンドンの投資家から日本の財政破綻はいつかという質問が来た、とあります。自己責任でリスクをとる投資家である以上、当然の質問だと思います。

記事中に、日本、アメリカ、ギリシャの債務残高がグラフで紹介してあります。GDP比で、米国は2010年に約90パーセント、ギリシャは約125パーセント、日本は約190パーセントです。

このグラフではアメリカもここ数年で債務(借金)が増えています。ギリシャも隠されていた債務が明るみになり、ユーロは下がり、ヨーロッパのみならず世界的な株価下落の引き金になったことはご承知の通りです。

そして日本は、そのアメリカやギリシャに比べてもダントツの借金の多さです。これでは財政破綻を心配するなという方が無理でしょう。

記事にあるように、日本の国債はほとんどを日本人や日本の金融機関などが買っています。しかし、少子高齢化が進む今、高齢者の多くは仕事による収入がなく、貯蓄から生活費を出します。

また、子供が少ないということは将来の日本経済の担い手が少ないということで、つまりは国債をこれから買ってくれる人が減るということです。

一方で、海外の投資家が果たして日本の国債を引き受けてくれるかというと、難しいでしょう。国債の残高が多いということは、国が国債の保有者に利払いとして払うお金も多いということです。

そして、国債費が増えれば、その分をまた国債発行でまかないますので、さらに借金が増えます。そうやってどんどん借金の増える国の国債を、他国に比べて低い金利で買う海外の投資家がいるとは思えません。もちろん私も買いません。

ちなみに記事中にある貯蓄率が低下、という話ですが、実際に日本人の貯蓄率はかなり下がっています。つまり経済的に余裕のある人が減っているということです。


○金利が上がる

日本の金融機関が国債を買っているので、長期金利が低水準にとどまっているという点ですが、これもかなり心配な点です。

もし今後、財政がさらに悪化して日本国債の格付けがもっと下がったら、日本の個人投資家などが「国債は危険だ」と考えて国債を買わなくなるでしょう。

また、海外投資家にもなかなか国債を買ってもらえそうにありません。なにしろ中国国債よりも信用できないとみなされているのですから。

このように国債の引き受け手が少なくなれば、国債の利回りは入札で決まるので、高い利回りがつかざるを得ないでしょう。

そうすると、既発国債の価格が大幅に下がるという事態も考えられます。それだけでも国債をたくさん持っている日本の金融機関の保有資産が減るわけですから、銀行などの破綻もありうるかもしれません。

なにしろ、利回りが1パーセント上がると、長期債券価格は10パーセントほど下落すると言われているのです。

そうすれば、ペイオフで1000万円までは預金が保護されるとはいえ、ペイオフで保護される以上の預金は返ってこないという恐ろしい事態になります。

(11/7/13追記)ペイオフについては、政府保証債で運用されています。ということは、財政危機になって政府が信認されなくなれば、ペイオフに必要なお金を政府が払うことができなくなります。

そうなれば、ペイオフによって1000万円と利子までは元本が保証されるということすらなくなるでしょう。つまり、このまま財政が危機的状況になれば、私たちの銀行預金すら危ないといえます。(追記終わり)

その結果、取り付け騒ぎが起きたり、日本株が全面安になったり、消費が落ち込むでしょう。

おまけに財政悪化によって長期金利が上がれば、記事にあるようにローンの金利も上がるので、住宅や自動車は売れなくなる可能性が高いです。そうなれば景気の悪化も必至です。

また、金利が上がれば、企業が銀行や信用金庫などから資金を調達しにくくなります。そうなれば経済活動がさらに停滞します。その結果、従業員が削減されたり、給料が下がるでしょう。

さらに不況になってしまうという可能性が高いです。


○国債のデフォルトになると

もっとひどい事態を想定してみますと、国債の債務不履行(デフォルト)があります。最悪の事態です。

デフォルトになれば、早い話が国債が紙切れになります。そうすると、国債を保有していた個人投資家の資産が目減りします。

デフォルトを避けるために、政府が大量に通貨を発行するかもしれません。しかし、そうなればハイパーインフレになり、国債の価値が大幅に下がるので、デフォルトと近い状況になってしまいます。

国債を保有している金融機関の資産も大きく目減りするでしょう。その結果、銀行などに求められる自己資本比率を割り込んで、経営破たんする金融機関が相次ぐかもしれません。

そうなれば前述の国債価格下落よりもさらにひどいことになります。

金利上昇による国債価格下落の場合よりも、国債のデフォルトの場合の方が金融機関の破綻の数は断然多くなるでしょう。

国債で資産運用している保険会社も次々に破綻して、多くの国民の加入している保険契約が履行されなくなり、生活の安全が守られなくなってしまうでしょう。

金融機関の破綻が相次ぐため、企業や個人事業主は銀行からお金を調達できなくなり、個人もペイオフによって1000万円を超える預金は払い戻してもらえなくなります。

こうなれば経済はめちゃくちゃになります。株価は大きく下がるでしょう。

国債を引き受けている約5パーセントの海外投資家にも迷惑をかけることになります。なにより、赤字国債が一切発行できないうえに、経済の大混乱によって税収も大きく落ち込み、国の予算はまともに組めないでしょう。

そうなれば、公務員への賃金はストップ、公共事業も社会保障も停止するという恐ろしい事態が起きるでしょう。


○債務不履行と最悪のシナリオ

国債がデフォルトや履行遅滞になれば、その時点でハイパーインフレになるでしょう。それは大幅な円安につながります。

為替相場では円売りがさらに円安を呼び、外国企業の撤退が相次ぐかもしれません。円が安くなれば、外国企業が日本で稼げるお金の価値が減るからです。そうなれば雇用もさらに減るでしょう。

さらに、日本は食べ物を含む多くのものを海外からの輸入に頼っています。そこで円安になれば、たくさんの円を払わないと食べ物などを海外から買えなくなります。

このようにハイパーインフレと円安が合わさった結果、パンなどの物価が大きく上がるでしょう。その結果、多くの人が経済的に困るだけでなく、日々の食べ物が手に入らなくなるかもしれません。です。

過去に外国で、ハイパーインフレによって札束を持って食べ物を買うようなひどい事態が起きたことがありますが、同じような事態が日本でも起きるかもしれません。

このように長期金利上昇や国債の債務不履行という最悪の事態になればどうなるかを考えてみましたが、かなり気が滅入ってしまいました。

そもそもこうなった原因は、日本政府が赤字国債を連発してきたからです。

私はあまり詳しくないのですが、もともとは赤字国債を発行することは法律で禁じられていたのですが、いつの間にか発行することが当たり前になり、今日のような財政悪化を招いてしまったのです。

目先のことばかり考えて赤字国債を発行してきた結果、子や孫の世代に巨額の借金を残すというひどいことになってしまったのです。

ただ、そのことを嘆いていてもはじまりません。もちろん私も日本の財政が破綻するという最悪の事態になってもらいたくはありません。まず、どうすれば財政破綻を免れることができるか考えてみます。

それにはやはり、直ちに赤字国債の発行を止めて(それが不可能なら出来る限り減らして)、緊縮財政で行くしかないと思います。記事にあるように国債発行額が税収を上回っているというのはとんでもないことなのです。


○景気をよくすることが先決?

財政規律よりも財政出動で景気をよくするほうが先決だ、というのが今の政府の考えなのでしょう。これは一理あります。

しかし、財政規律より財政出動を重んじて、赤字国債を発行し続けてきた結果が今の財政悪化ではないでしょうか。

財政出動をすれば景気がよくなり、税収が増えるから大丈夫といいますが、税収が増えたら増えたで国債の償還に充てるどころか、余計な支出に回してしまってきたのではないでしょうか。

もちろん財政規律を重んじれば、景気は悪化します。しかし、これ以上国の借金が増えることを放っておけば、金融機関の破綻、株価暴落などの事態につながるのです。

最悪の場合には国債の債務不履行やハイパーインフレになり、日本に対する国際的信用はほぼなくなります。景気はひどい不況になり、公務員などには賃金が支払われず、失業者があふれるでしょう。社会保障もストップします。

対外的にも、日本のソブリンリスクが引き金となって世界恐慌を招くかもしれません。

そのため、記事中の末沢氏のおっしゃるように、財政再建に一刻も早く取り組まないといけません。私は当サイトでは政治の話はなるべくしないようにしていますが、財政再建だけは政府に絶対にやってもらわねば国が滅びると思っています。


○財政破綻から資産を守る方法

一方で、我々個人はどうすべきでしょうか。まずは、日本の国債を買うことは私はまったくおすすめしません。私の考えでは国債はハイリスク・ローリターンというまったく魅力のない商品です。

ある政治評論家が、「赤字国債が悪いというなら国民が国債を買わなければよい」ということを主張していました。私はこの評論家が好きではないのですが、この主張には一理あるな、と思いました。

誰も買わなければ、赤字国債を発行できないからです。

ただし、国債を多く買っているのは日本人というよりも、日本の金融機関です。個人が銀行などの金融機関を利用しないわけにはいきませんし、また銀行などが国債を買うのを止めろという権限もありません。

そのため、この評論家の主張は的外れといわざるを得ません。

次に、日本の財政がさらに悪化して金利が急上昇したり、国債が債務不履行になるという最悪の場合を想定して、自分の資産を防衛する方法を考えておく必要があると思います。

それではどうやって資産を守ればよいでしょうか。一つは、やはり金の現物です。財産のほどんどが通貨(ここでは円)ですと、仮に財政が破綻すると円の価値が大きく下落するでしょう。

一方、金ならそのもの自体の価値が変わらないので少なくとも価格が政変などで大きく下がるということはなく、かえって有事の金ということで価格が上がるかもしれません。

やはり国の財政破綻のような非常時に備えるなら、一定の価値を持つ金の現物を保有するのが安全といえます。

次に、通貨についても円を減らして、安全性の高い通貨の割合を増やすことになります。具体的には債務(借金)の少ない国の通貨ということになります。

例えば財務省ウェブサイトに債務残高の国際比較というページがあります。08年までのデータしか載っていませんが、日本がダントツで借金漬けなのがよくわかります。

これをみると、着実に債務を減らしているカナダはえらいです。日本も見習う必要があります。このデータからすると、例えば英国ポンドは安全性が高いといえます。

スイスフランも有事の際の通貨として名高いです。

なお、これらの資産を守る方法は、日本の長期金利急騰や財政破綻に備えるためのものです。

そのため、例えば金を買ったり円をポンドに換えた場合に、短期的には損が出る場合もあるのはもちろんです。あくまでも中長期的にみて、資産価値を大きく減らさないための方法です。

こうしたいわば金融パニックのときに、株式投資などはどうでしょうか。例えばインフレの時には、株価も(理論上は)上がるので、インフレヘッジには適しているようにも思えます。

ただ、金融機関の破綻が相次いだりすれば、それだけで市場の投資マインドは冷え込むことは間違いないでしょう。そうすればおそらく株価は暴落するはずです。

そのため、株式を買っておくことが金融パニックへの備えになるとはいえないと思います。


○デリバティブ

それではデリバティブはどうでしょうか。例えば日経225先物取引を考えてみます。日経225先物は商品先物取引と同じように、売りから入ることができます。

すなわち、株式投資の「空売り」と同じです。

ということは、例えば国債の格付けが(今でも先進国の中で低い格付けですが)さらに低くなり、国債の買い手がいなくなり、国債の価格が大きく下がるような事態になったときを考えてみます。

このときに、あらかじめ日経225先物を売っておけば、いざ国債が債務不履行になって金融機関が破綻したり、個人資産が大きく目減りするようなことになって株価が暴落しても、利益が出ます。

あるいは、東証一部上場の株式を持っている人なら、その株価の下落分と日経225先物の売り玉の利益とである程度リスクヘッジできるでしょう。

このことから、日経225先物は役に立つといえます。ただ、こうした非常事態のときには売り玉の建て玉制限がなされるかもしれません(この点は私には分かりません)。建て玉が制限されればリスクヘッジを目的とするデリバティブの意味がないんですが…。


○不動産

不動産の現物はどうでしょうか。不動産はそれ自体に一定の価値がありますので、安全資産といわれます。それはその通りですが、日本の財政が破綻してしまった場合、社会全体がパニック心理になってしまうと思います。

それだけでも株価は暴落するでしょう。ということは、個人資産も株価暴落で大きく減ります。また、国債を持っている個人投資家の資産がそれだけ減るのはもちろんです。

また、金利が高騰して企業活動も大きく停滞するでしょう。こうして経済活動全体が停滞することから、不動産の価格も下落する可能性が高いと思います。


○金や強い外貨がおすすめ

こうしたことを考えると、
日本の財政悪化→国債の格付け下がる→国債の引き受け手少なくなる→長期金利急上昇→既発国債価格の下落、金融機関や個人の資産が目減りする、経済の悪化、株価下落

→金融機関の破綻、預金が(ペイオフによって保護される部分を除き)返ってこない→国債の引き受け手が皆無に→赤字国債で国債費をまかなえなくなる→国債が償還できなくなる(デフォルト)→財政破綻

という最悪のシナリオ時に備えて金(あるいは貴金属)の現物や強い通貨を持っておくというのが適切な方法だと思います。

もちろん日本が財政破綻するのは絶対に避けなければいけませんし、ぜひとも政治にはそのために財政再建をしてもらわなければいけません。

しかし、相変わらず赤字国債を大量に発行している政治を見ていると、財政破綻は本当に起きてしまうのではないかと思ってしまいます。

上記の最悪のシナリオで、2つ目(国債の格付けが下がる)まではすでに起きています。

そして国債の引き受け手が少なくなるのも時間の問題です。ますます日本の借金が増えて、モーニングスターなどによる日本国債への格付けがさらに下がったりすれば、日本の金融機関もついに国債を買わなくなるかもしれません。

そうすればシナリオはどんどん先に進んでしまうかもしれません。

そうならないためには、第一に国債を買うことはまったくおすすめしません。第二に、政府には一刻も早く財政再建をお願いします!

Pocket

スポンサード リンク

サイトトップページへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)