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金属ETFを使って財政危機に備えたりリターンを得るポートフォリオ

金属ETFを使って財政危機に備えたりリターンを得るポートフォリオ

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(日本経済新聞11/5/30から引用)(中略)四国に住む男性会社員(38)は昨秋、銅の国際相場に連動するETFに投資した。
「世界中で金融緩和策が実施されたのを考えれば、インフレは避けられない。実物資産である商品のうち銅は鉱石の採掘が減る反面、新興国の需要が旺盛とわかった」という。
その後、ドル建ての銅価格は史上最高値圏まで上がった。足元はやや調整しているが、「長い目で見ている」と当面手放すつもりはない。
非鉄金属相場に連動するETFが東証に上場したのは2010年3月。英国に本社をおくETFセキュリティーズが運用している。
ニューヨーク商品取引所の先物指数に連動する銅のほか、ロンドン金属取引所(LME)の先物指数を指標とするアルミニウムとニッケル、複数の非鉄金属をバスケットにした「産業用金属商品指数」に連動するものがある。
ETFセキュリティーズ日本代表の足立伸氏は「非鉄金属投資の魅力は、短期間でも大きく値上がりする可能性があること」と話す。
今年3月末までの半年間の値上がり率は銅で18%、アルミニウムで10%、ニッケルで11%だった。東日本大震災のあと、日本の株価が低迷したのと比べ堅調さが目立つ。
ただ、高いリターンは高いリスクの裏返しでもある。数値が大きいほど相場の変動率の大きいことを示すボラティリティーをみると、一般に株式は20%前後、日本国債は5%以下だが、銅は32%、アルミは23%、ニッケルは42%だった(3月までの10年間)。
「商品は安全資産、リスク分散というイメージが強いが、非鉄金属にはあてはまらない」と指摘するのは「LME入門」の著書がある商品投資顧問会社、アストマックスの江守哲・運用部長兼チーフ・ファンドマネージャーだ。
市場規模が小さい上、非鉄金属の用途は、大半が産業向けで価格は景気動向に敏感だ。
ETFセキュリティーズが今年3月までの10年間の数値を基に米国の代表的な株式指数である「S&P500」と非鉄3品目の連動性を算出したところ、相関係数(1に近いほど正の相関、マイナス1に近いほど負の相関)は、いずれもプラス0.2程度。
「補完関係にあるというより、株価を先取りする形でダイナミックに相場が動く傾向が強い」(足立氏)という。
(中略)金ETFは一般に株価との連動性が薄く、独自の値動きをするのも特徴だ。金の場合、過去10年間のS&P500との相関係数はマイナス0.04と低い。
ボラティリティーも19%と非鉄に比べて格段に低く、安定感がある。
金以外の貴金属は景気との連動性が高まる傾向があり、価格変動幅も大きくなる。電子部品などに使う銀、自動車の排ガス触媒に使うプラチナやパラジウムが代表だ。
ポートフォリオを組む場合、金属の位置づけはどうとらえるべきか。求める収益率や目的などによって異なるが、深野氏は「あくまで脇役と考えるべき」という。
「投資の王道は株式や債権。配当も利子も入らない金属は保有するだけでは利益を生まない。ポートフォリオの10-15%くらいが適正ではないか」(以下略)

金属ETFについての解説記事です。私も金や白金(プラチナ)、銀には関心があるのですが、その他の金属については詳しくないので勉強になりました。

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最近はリーマンショック、ヨーロッパの債務危機などが世界経済を大きく揺るがしています。そのため、安全資産を求めて投資マネーがスイスフランや日本円、金などに流入しています。

日本円は国が巨額の借金(累積債務残高)を抱えているので、円も日本国債も長期的には安全だと思っていません。

しかし、ギリシャ国債がデフォルト(債務不履行)になる可能性もありますし、ギリシャ国債を保有しているフランス・ベルギー系の銀行が解体されたりと、ユーロ圏の先は見えません。

その中で、日本円は増税の余地が残されているので大丈夫と思われて、短期的に買われているのでしょう。

ちなみにスイスフランは、買われ過ぎで最近、売り越しが増えてきたようです。

今回の欧州債務危機については、リーマン・ショックを超えるダメージになるという意見もあります。ギリシャの借金はGDP比で140%ほど、額は34兆円ほどですから、日本はもっと悪いのです。

現在は日本国債は94%ほどを国内で消化できていますが、今後はそれが難しくなるはずです。借金の額も国と地方の長期債務が900兆円ほどですから、もし日本の財政危機が訪れたら、どんなことになってしまうのでしょうか。

そんな金融危機に備えるためにも、金属は重要です。金属は一定の価値を持つ実物資産だからです。


インフレと金属相場

まずは冒頭の男性投資家から。金融緩和策が行われると、市中に出回るお金の量が増え、相対的に物価が上がります。つまりインフレです。

インフレになると金属の値段も上がると考えて、この投資家は銅のETFを買ったのです。

また、銅の供給量が減る一方で、需要が増えるという予測もその理由となりました。

私はファンダメンタルズ分析はあまり重視していません。その理由の一つには、需給に関するニュースが本当かどうかわからないからです。

経済評論家の森永卓郎氏も、著書のなかで、原油か何かの需要が高まるというニュースを知ってその商品に投資したが、そのニュースが嘘だったと書かれています。

ただ、冒頭の投資家はしっかりニュースを分析して、見込み通りに相場が上がったのだと思います。


非鉄を扱う

最近は金や銀、プラチナなどに投資する貴金属ETFが上場されています。それに加えて、銅やアルミニウムなどに連動するETFも出てきたんですね。

アルミやニッケルなどを一つにまとめた「産業用金属商品指数」に連動するものについては、景気が良くなり始めて企業の設備投資が増えたり、あるいは自動車などの消費が増えれば、この指数が上がるでしょう。

そのため、景気変動を見越してこの指数を売買する投資家も多いでしょう。また、景気が悪くなればこの指数も下がる可能性が高いので、手持ちの株を売るタイミングを測るのに使うというやり方もあると思います。


ボラティリティーが大きい

次に価格の変動幅についてです。短期間で値が動くということは、確かにハイリスク・ハイリターン型の商品です。

一般に株式はボラティリティーが大きいですが、銅、アルミ、ニッケルは株よりも値が大きく動くとは初耳でした。シンプルにこうした非鉄金属の売買差益(キャピタルゲイン)を狙うのも面白そうです。

また、価格変動幅が大きい、つまり値動きが荒いということは、確かに金やプラチナといった貴金属とは少し違いますね。金はそんなに値動きが大きくありません。

非鉄金属は市場規模が小さいということは、少しの注文で値が大きく動くということです。一方で金は世界通貨としても取引されているので、売買量が多く、値動きも小さめになるのです。

記事中の江守さんがおっしゃっているように、非鉄金属は値動きが大きいので、資産防衛とか守りの投資に使うよりも、キャピタルゲイン狙いで攻撃的な投資に使うのがよいでしょう。

次にアメリカの株価指数と非鉄3品目の連動性について。相関係数については詳しくないですが、要は1に近ければ株価と似た動きをして、マイナス1に近ければ株価と逆の動きをするということでしょう。

相関係数についてはあまり気にしなくてよいと思います。


金ETF

次に金ETFです。商品のETF(上場投資信託)の中でももっともメジャーといえるでしょう。

前述の相関係数が0.04ということは、簡単にいえばほぼ0なので、株価と同じように上がるときと、株価が下がっているのに金が上がっているときとが半々という感じでしょうか。

ボラティリティーは19%と確かに低いですね。金は究極の安全資産として買われることが多いので、あまりに値動きが激しいのでは逆に使いにくいのです。

一方、銀やパラジウムなどの貴金属はボラティリティーがけっこう大きいですね。銀が34、パラジウムが37です。

ということは、金はやはり株価下落や金融危機などに備えるために買い、銀やパラジウムは値動きが大きいので値上がり・値下がり益を取りにいくのがよいと思います。


金属ETFとポートフォリオ

ポートフォリオ(分散投資)で金属ETFをどのように活用すればよいのでしょうか。

深野さんは脇役にして、10-15%ほどを組み入れてはどうかと提案されています。

確かに金や銅を持っていても、インカムゲイン(保有することで定期的に得られる利益)は一切もらえません。例えば株式は配当益が(配当があれば)もらえます。銀行預金も利息がつきます。

その点、金庫に金の延べ棒を入れておいてもそこから利益は生まれません。

これは仕方のないことでもあります。金属はこうしたインカムゲインが得られない代わりに、それ自体に変わらない価値があるからです。

例えば金は、無国籍通貨として、高い価値があります。変質や腐食をしませんし、アクセサリーに使われる美しさがあります。工業用品としても使われます。

一方、株式や通貨の価値は相対的なものです。例えばギリシャ国債は既発のものの価値は4割ほど下落しています。

このように金はそれ自体の価値を重視して買われるものなので、インカムゲインを生まないのは仕方ないでしょう。まさに安全資産です。

一方、銅やパラジウムなどの値動きの激しい金属は、安全資産と言うよりも前述のように売買差益を狙って手がけるのがよいでしょう。


組み入れる割合

ポートフォリオにこうした金属を組み入れる割合ですが、目的によって異なってきます。

まず、完全に資産を守る(防衛する)目的なら、金やプラチナの割合を多くすべきです。

現在のようにユーロはどうなるか分からない、米ドルも債務上限問題で揺れた、日本円はますます危険、中国の元もバブルが弾けるかもしれないとなると、通貨や株式よりも金を多くするのがリスク軽減になります。

具体的には、例えば金やプラチナを80%にして、残り20をよく使う通貨(このサイトをお読みの方なら円でしょう)にするという方法があります。

これは、各国の通貨を一切信用しないポートフォリオです。ただ、財産全部を金にしてしまってはお金が使えませんので、よく使う通貨を最低限残しておくのです。


安全かつリターンも得られるポートフォリオ

次に、資産の安全性を高めつつも、ある程度のリターン(利回り)も得たいという場合。この場合、金を50、円を15、米ドルを15、日本株投信を5、先進国株投信を5、新興国株投信を5,産業用金属商品指数を5とします。

この資産配分の狙いは、まず金をポートフォリオの半分にして、安全性をかなり高めています。経済危機や金融不安などになれば金は値上がりすることが多いので、キャピタルゲインも狙えるかもしれません。

そして、円とドルを同じ配分にしています。これは、円は手元に必要ですが、日本の財政危機や為替変動によるリスクをヘッジするため、同じ量を米ドルにしているのです。

アメリカもしばらくは超大国としての地位は保つでしょうし、国の借金を増やしすぎないように自らを律する仕組みがあります。そのためドルを信頼して買っているわけです。

あるいはドルの代わりにスイスフランでもよいでしょう。

ちなみに日本円については、ペイオフ(預金保護制度)対策として、1金融機関当たりに預ける金額を1000万円までにしておけば万全です。

これなら、仮に日本のさらなる財政悪化、それによる金利の急上昇によって金融機関が保有する日本国債の価値が下落して、金融機関が破綻してしまっても、預金と利息が全額保護されるからです。

ただ、日本が財政破綻にでもなってしまうと、ペイオフ制度も破綻する可能性もありますが…。

また、リターンを狙うために日本、先進国、新興国に分散して株式を買います。平常時なら配当利回りが得られますし、新興国は大きく値上がりする可能性もあるからです。

そして国を分散しているので、リスクもある程度は軽減できます。

そして最後に前述の「産業用金属商品指数」も買います。この狙いは、第一に現物(厳密には先物ですが)に投資するので、株と違って価値がゼロになることはありません。

第二に、値上がりすればキャピタルゲインを得られますし、値下がりしても、そういう時は景気が後退しているときなので金が値上がりする可能性が高いです。

そこで、金と金属とである程度相殺できると考えるからです。

このポートフォリオはけっこう実践的だと自負しています。参考になさってください。


金属ETFの紹介

最後に、金属ETFの実例をご紹介します。ETFは証券会社に口座を開けば、株と同じように取引できます。信用売(空売り)できるものが多いです。

信用取引と同じくレバレッジを掛けることもできます(約3倍まで)が、金利が必要になります。

さて、まずはSPDRゴールド・シェアです。銘柄コードは1326で、13000円弱で買うことができます。世界最大の金ETFです。

次に純金上場信託(現物国内保管型)です。銘柄コードは1540。4000円ほどから買うことができます。金1グラムを基準にしており、現物で引き出すことも出来ます。

次にETFS 銅上場投資信託です。銘柄コードは1693。1口が2800円ほどで、10口が最低売買単位です。

ちなみに、ドル建ての国際商品に連動する商品の場合、円に換算すると為替相場の影響を受けます。円安ドル高なら資産が増えますし、円高なら円での価値は下がってしまいます。

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