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ETN(上場投資証券)のメリットとリスクヘッジへの活用法

ETN(上場投資証券)のメリットとリスクヘッジへの活用法

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(日本経済新聞11/10/9から引用)(ETNは)国内株式と同じように売買でき、分散投資の手段としても注目を集めている。(中略)
(iPath VIX短期先物指数連動受益証券発行信託、略してiVIX短は)「恐怖指数」とも呼ばれるVIXの関連指数に連動するETNだ。
(中略)VIXは一般に、投資家の不安心理が増すと指数が上昇するので、連動するVIXも価格が上がる。
(中略)株式相場と逆の動きをするこの商品に分散投資すれば、株価下落による損失をある程度カバーできたことになる。
8月に国内初のETNが登場して以降、現在では東証に10本が上場している。(中略)いずれも発行は英金融大手バークレイズで、「iPath」のブランド名で海外市場ですでに上場している実績のあるものばかり。
(中略)ETNは「Exchange Traded Note」を略したもの。「取引所で売買される債券という意味が示す通り、実は債券の一種だ。
国内株のように口座を持つ証券会社を通じて証券取引所で、市場価格で売買できる。売買は1口単位で、2000~8000円程度から投資できる。
最大の利点は、規制などで海外投資家が自由に売買できない新興国株やレアメタルの相場などに、容易に投資できることだ。
ETNという債券は、発行会社が指数との連動を保証しており、裏付けのために新興国株などの資産を保有する必要をなくしたのが特徴だ。
(中略)ETFは裏付けとなる資産を信託銀行が分別管理しているのに対し、ETNは債券なので証券会社が経営破綻などで償還に応じられなくなったときは、投資した資金が返ってこない可能性がある。
東証ではこうしたリスクを減らすため、純資産額や自己資本比率、信用格付けなど「国内でも大手金融機関でないと満たせないほど厳しい」(東京証券取引所上場推進部課長の木村亮太さん)上場審査基準と廃止基準を設けている。
ETNは基本的に指数と価格が連動する商品だが、取引所で売買するので「売買高が少ないと指数と市場価格の乖離が起きやすくなり、割高な価格で買ったり割安に売ったりするリスクが生じる」(インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさん)。
さらに、実物資産の裏付けがないので、発行体の信用力が低下した場合、取引価格が指数よりも割安になるなどの懸念もある。
為替相場の変動リスクにも注意したい。国内に上場するETNは円建てで売買できるが、海外と重複上場したり、海外の指数を使ったりする商品は、円に換算するときに為替相場の変動で損失を被る場合がある。
ETNは、確定申告の手間が省ける特定口座の対象となるほか、税制上も国内株と同様に取り扱われる。(以下略)

ETNは最近登場した金融商品です。いろいろなメリットがあると思います。

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まずVIXについて。これはリーマン・ショックや欧州債務危機のような金融危機や経済危機のときに、上がりやすい指数です。

具体的には、アメリカのS&P500種株価指数のオプション取引の値動きを元に算出しているそうです。つまり、株安になると上がりやすい指数だということです(逆相関)。

そこで、VIXを使えば、保有株のリスクヘッジができるということになります。アメリカの株に連動する指数ですが、日本株はアメリカ株と似た動きをする傾向にあるので、日本株でも使えるはずです。

ちなみにVIXに連動するETNは「中期先物指数連動」と「短期先物指数連動」があります。目先のリスクヘッジなら短期、もう少し先のリスクヘッジなら中期ということになるでしょう。


銘柄は10種類

IPathのETNは全部で10本上場しています。上記のVIX連動以外に、以下のものがあります。商品指数連動(i商品)、貴金属指数連動(i貴金属)、産業用金属指数連動(iメタル)。

エネルギー指数連動(iエネルギー)、農産物指数連動(iアグリ)、穀物価格連動 i穀物)、ソフト農産物指数連動(iソフト)、畜産物指数連動(i畜産物)。

これらをどう使うかですが、一つにはポートフォリオによる分散投資の際に、リスクヘッジとして組み合わせるという方法があります。

たとえば株式を保有している人が、原油などのエネルギー商品の価格が上がると、景気を冷え込ませて株価が下がりがちです。そこで、エネルギー指数連動のETNを買っておくという具合です。

原油のETFでもよいですが、上記のETNは軽油、天然ガスなどのいろいろな商品をパックにしたものですから、総合的な対策がしやすいでしょう。

例えば日本株投信、先進国株投信、新興国株投信に分散して投資している人なら、どの国もエネルギー価格が上がれば苦しくなりますから、株式投信と同規模のエネルギーETNを買っておけば、かなりリスクヘッジできるはずです。

株価の下落(株式投信の基準価額も下落)をETNでヘッジしておけば、配当益の分は確保できるという使い方もできそうです。

ただ、エネルギーの価格と株価の価格は完全に逆に動くわけではないですから、完全にヘッジできるとは限りません。

あるいは、ヘッジよりも分散を目的としてETNを使うなら、貴金属、産業用金属、畜産物などいろんなETNを買っておくというのも面白いです。


単体で売買する

以上は分散投資での使い方ですが、もちろん単体で使うことも出来ます。これは普通の株式投資と同じようなやり方で、私ならチャートをみてなるべく安くなったところで買っていきます。

ただ、株と違って配当は出ません。一方で、倒産などによって株券が紙切れになることはありません。商品自体に価値があるからです。


実需家のヘッジ

あるいは純粋なヘッジ目的で、実需家(実際に商品をビジネスに使う企業等)が買うということもあるでしょう。例えばアルミニウムや銅など複数の産業用金属を仕入れて使う企業なら、なるべく安いところでiメタルを買っておけば、安いところで価格を固定したのと同じことになります。

日本の先物取引では銅やニッケルなどはありませんが、ETNを使えばある程度ヘッジできるというわけです。

畜産物も同じで、牛肉などは日本の商品先物がありません。そこで、例えばアメリカから牛肉を輸入しているメーカーが、値上がりに備えてなるべく安いところでi畜産物を買っておけば、その後牛肉が値上がりしてもヘッジできます。


ETNの特徴

ETNの特徴は、第一に手軽に売買できることです。ETF(上場投資信託)と同じように、証券口座を持っていれば売買ができます。1口当たりの金額が数千円ほどと安いのも利点ですね。

商品先物取引の場合、1枚あたり数十万円から数百万円という金額になってしまいますが、ETNなら少額でできます。

第二に、売買に規制のある商品にも容易に投資できます。たとえばレアメタル(希少金属)のETFをつくろうとすれば、実物の裏付けが必要なので実際にレアメタルを保有しないといけません。

しかし、レアメタルの輸出規制などがあれば、買うことが難しくなります。その点、ETNなら現物の裏付けが不要なので、商品化しやすいといえます。

第三に、このことと裏返しでもありますが、現物の裏付けが無いので、信用リスクがあります。例えばi貴金属なら、金や銀の実物を発行会社が持っているわけではないのです。

ETFなら金や銀を実際に分別管理して保管していますから、実物を買っているようなものです。一方、ETNには実物の裏付けがないので、発行会社が破綻でもしてしまえばETNの価値が大きく損なわれる恐れがあります。

そのため、東証では非常に厳しい基準を発行会社に適用しているそうです。これならまず安心でしょう。

第四に、ETFと違ってETNは基準価額と指数の連動に誤差が出る恐れがあります。


まとめ

こうしてみると、ETNはある分野の複数商品を一度に売買できるというメリットが特に大きいと思います。複数の金属、複数の農産物などです。

アメリカなどではもっと多くの銘柄が上場しているそうなので、日本でもそうなればもっと使い勝手がよくなりそうです。

例えば総合スーパーが、牛肉や豚肉、ココアやコーヒー、大豆というように輸入しているものを個別に値上がりヘッジ(値上がりによる損を抑えるためのヘッジ)するのは大変ですし、先物やCFDにその銘柄がなければ実行できません。

その点、i穀物とiソフト、i畜産物というようにETNを使えば、値上がりリスクを抑えることができます。

この点をもう少し詳しく解説します。あるスーパーが上記のようにETNをなるべく安いところで買っておきます。そうすれば、その後豚肉やコーヒー、ココアなどが値上がりしても、実物を仕入れるコストは値上がりしますが、保有しているETNも値上がりします。

その結果、実物のコスト増とETNの値上がり益とである程度相殺できるのです。

こうしたことから、ETNは投資家だけでなく実需家にも人気が出るかもしれません。売買高が増えれば基準価額と指数に差が出てしまうことも減るでしょう。

発行元の信用力も東証がしっかりチェックしているようですし、ETNに注目したいと思います。

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