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ヘッジファンド型投信のメリットとポートフォリオへの組み入れ方

ヘッジファンド型投信のメリットとポートフォリオへの組み入れ方

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(日本経済新聞11/10/10から引用)(金融市場が厳しさを増す中で)注目されやすいのが、相場環境にかかわらず安定した投資利益の確保を目指すヘッジファンド型の投資信託だ。
(中略)ヘッジファンドは株式や債券など主要市場の相場が下落している局面でも、空売りや先物などデリバティブ(金融派生商品)を駆使して収益確保や損失を限定する運用を目指す。
(中略)日本でヘッジファンド型投信が普及し始めたのは2000年代に入ってから。
割安株の買いと割高株の空売りを組み合わせる「ロング・ショート」や、株と株価指数先物の買いと売りの規模を均衡させる「マーケット・ニュートラル」という投資戦略を掲げた商品が相次ぎ設定された。
通貨や先物市場で運用するタイプなど多様化も進み、現在は108本が運用されている。
リーマン・ショックから現在に至るまでの世界的な金融市場の混乱期は、まさに真価が問われる場面だった。
そこで比較可能な49本を対象に、8月末までの3年間の基準価格の騰落率(分配金を再投資した場合)を調べてみた。
結果は平均で8%強のマイナス。同じ期間で日経平均株価が32%下落したのに比べると、下げ相場で耐えるという特徴が表れる。プラスの成績だったものも13本あった。
(特に好成績だった投信に)共通するのはマーケット・ニュートラル戦略を採用している点だ。日本株で運用する住信アセットマネジメント「LSオープン」や日興アセットマネジメント「日本株コアα」はそれぞれ上昇率11%、7%とプラスを確保した。
(中略)投信市場では、高い運用益を求めてブラジルなど新興・資源国の資産で運用し、毎月高額の分配金を出す商品に人気が集中してきた。
ヘッジファンド型投信は「特に日本株型は期待収益率が低く、資金が集まりにくい」(住信アセット)ことに加え、運用内容が複雑で対外的な情報発信が不十分なことも多い。
「収益の源泉がわかりにくいことから、個人に本格的に普及していない」(マネックス証券)。
ただ、欧米の債務問題などをきっかけに株や為替など多くの市場で相場が乱高下するなか、ヘッジファンド型投信を見直す機運も高まりつつある。
(中略)野村アセットマネジメントが設定した通貨選択型の「グローバルトレンド」は、シリーズ合計残高が2000億円を超え、ヘッジファンド型投信全体の残高を底上げした。
株や債券、通貨など200程度の先物市場を投資対象とし、コンピューターが市場動向を常時チェック。上昇基調にある市場では買い、下げ基調の市場では売りと、方向感をとらえて自動売買をふくらませる。
円建てのタイプは市場が不安定だった6-8月に3%強のプラスになった。
(中略)注目が高まるヘッジファンド型投信だが、個人の資産運用における主要な投資対象として根付くだろうか。
(中略)株や債券という「伝統資産」の相場が崩れたときに、異なる値動きをするのがヘッジファンド本来の特徴だ。
「『いまもうかりそう』ではなく、『ポートフォリオを組む上で必要』という発想で選ばれるようにならないと、定着しないだろう」。ファイナンシャルプランナーの福田啓太氏はこう指摘している。

この引用記事が書かれたのは、ちょうどギリシャやイタリアなどのユーロ圏諸国での財政危機が大きな問題となっていた頃です。

ユーロという共通通貨を使っている国の一部で、借金が多すぎることが問題となりました。財政破綻にでもなってしまえば、ユーロ自体の信頼性が揺らぐからです。

こうして見ますと、共通通貨制度というのは難しいものだと実感します。第一次、第二次世界大戦という戦禍を繰り返さないことを目的としてつくられたEU。

そして各国でユーロという通貨を使うことで、経済を活性化させようという狙い。

とても魅力的な制度なのですが、一緒にやるということは、各国の自制も不可欠です。ところがギリシャには隠れ借金がたくさんあることが発覚し、財政再建策も受け入れるまで相当時間がかかってしまいました。

アジアでも共通通貨を使ってはどうかという意見もありますが、ヨーロッパの例を見ると非常に難しいと思います。

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金融危機とヘッジファンド

さて、この欧州債務危機によって、投資マネーが欧州の国債や通貨から日本円にも多く流入しました。そのために歴史的な円高になり、日本株が株安になったのは記憶に新しいところです。

このように金融危機が起きると、存在感を増すのがヘッジファンドです。

ヘッジファンドとは、買いだけでなく現物やデリバティブの売りも駆使することで、相場下落時にも収益を狙うファンドです。

ヘッジファンドのヘッジとは、まさに売りヘッジのこと。一般にはヘッジファンドといえばレバレッジを高くして利益をがつがつ狙う危険なファンドというイメージがありますが、これは正しくありません。

空売りを駆使すれば、レバレッジを低くしたり安全性の高いサヤ取りを使っていてもヘッジファンドと言えます。

日本の伝統的な投資信託は、買いしかしないことがほとんどでした。相場が下がれば損切りするか、あるいは含み損を抱えたまま保有し続けるしかないということになります。

私も以前から、日本の投信はなんで空売りを使わないのかと疑問に思っていました。投信も含めて日本株を買い支えようというのであれば、悪しき護送船団方式と言わざるをえません。

なぜなら、投信が売りをしないことで損失を被るのは投信を保有している個人投資家だからです。


ヘッジファンドの手法とは

その点、ヘッジファンド型の投資信託が増えてきたのは喜ばしいことです。やっと日本も外国並になったということです。

その投資手法を見てみましょう。まずロング・ショートというのは、現物株の買いと空売りを組み合わせる手法です。

ちなみにロングとは相場で買い、ショートとは売りのことを言います。

私も株式投資などでこうした手法を使っています。株式投資ですと空売りをするには信用取引を使わないといけませんが、FXや日経225先物などのデリバティブでは、簡単に空売りができます。

次にマーケット・ニュートラルですが、私の持っている本ではロングショートと同じ分類になっています。

引用記事では株と株価指数先物(日本でいえば日経平均株価やトピックスなどの先物)と書いてあります。

ということは、ロング・ショートのなかでも、指数先物を用いて、買いと売りのバランスを同じように保つような戦略をマーケットニュートラルというのかもしれません。

マーケット・ニュートラルについてはもう少し詳しい説明が欲しかったと思います。


運用成績は

こうしたヘッジファンド型投信は通貨に投資するものなど多様なものがあり、現在は108本もあると書かれています。思ったよりも多いですね。

それではこうした投信の運用成績はどうでしょうか。上記のようにヘッジファンドは相場が混乱して大きく下げるときなどに真価を発揮します。

結果は平均で8%強のマイナスです。日経平均株価が32%の下落ですから、下げ相場でも損失が少なかったといえます。

ただ、下げトレンドでも「利益を出せる」のがヘッジファンドの売りですから、利益を出せなかったのは残念です。

それでも、例えば日経平均に連動する伝統的な投信を持っていれば32%値下がりしたところを、ヘッジファンド型なら8%で済んだのですから、この差は大きいと思います。

もちろんプラスだったものも13本あったそうですから、やはり下げにも強いと言えます。


ポートフォリオに組み入れるなら

それではポートフォリオにヘッジファンド型を組み込むにはどうすればよいでしょうか。

一つの方法としては、単純にポートフォリオの多くをヘッジファンド型投信にすることです。というのも、上げ相場でも下げ相場でも利益を狙いやすい商品だからです。

そのうえで、海外分散や投資先の分散をしたいのであれば、新興国株でロングショートをする「エマージング・ロングショート」や、先進国の国債先物や通貨に投資する「フォーシーズン」などを組み合わせればよいと思います。

つまり、いろいろなヘッジファンド型投信を保有するというわけです。

あるいは、伝統的な手法の投資信託を保有しつつ、ヘッジ目的でヘッジファンド型投信を組み入れるというやり方もあります。

この場合、下げ相場でも利益を上げたい、あるいは損失をなるべく減らしたいというのであれば、ヘッジファンド型の割合を大きくします。

逆に、上げ相場での収益を追求したいが下げ相場での損失をある程度減らしたいのであれば、ヘッジファンド型は少なめでよいです。

ヘッジファンド型は上げ相場でも下げ相場でも収益を見込める、あるいは損失を少なく出来るという商品です。そのため、あまりポートフォリオの見直しに時間を割けないという方に向いていると思います。

ただ、必ずしも利益を出せたり損失を押さえられるわけではない、という点には注意しましょう。


あまり人気がない

このようにメリットが大きいヘッジファンド型投信ですが、あまり人気がないようですね。確かに、例えばブラジルレアルで建ててブラジル株を買うような投資信託に比べると、収益があまり出なさそうな感じがしてしまいます。

しかし、私は今後も世界経済は大きな金融危機に見舞われるだろうと予想しています。例えば日本の財政問題です。

日本国の長期債務は約900兆円もあり、ギリシャやイタリアなどの借金とは比べ物にならない大きさです。

野田佳彦総理が消費税率を引き上げるべく奮闘されていますが、もしそれが実現しなかったら、本当に日本は国家破産に向けて進んでしまうと危惧しています。

もしGDP世界三位の日本が財政破綻してしまったら、世界経済に与えるダメージも甚大です。

アメリカも巨額な借金を抱えています。こうしたことを考えると、財政問題だけでも金融危機の芽がたくさん潜んでいると思うのです。

ということは、そうした状況に強いヘッジファンド型投信はもっと脚光を浴びるだろうと思っています。

なお、世界のヘッジファンドは人気がなくなり、出資が大きく減っていると言われています。これは、私が思うにレバレッジを高くしすぎて、相場の変動についていけないファンドが多かったからではないでしょうか。


コストが高い

ヘッジファンド型投資信託があまり人気がない理由には、コストが高いということもあるでしょう。

まず、購入資金がたくさん必要です。最低投資額が100万円から500万円というものもあるそうで、元手がたくさんないと買えません。

普通の投資信託は数千円で買えるものも多いですから、敷居が高すぎますね。ただ人気が出て購入者が増えれば、改善するかもしれません。

また、購入手数料や信託報酬も普通の公募投信より1-2%ほど高いようです。

引用記事に例として出されている野村アセットマネジメントの「グローバルトレンド」は購入手数料4.2%、信託報酬3.3%です。

確かにコストが高いですね。

ただ、複雑な運用手法を採っているだけに、コストがかかるのは仕方ないことでもあります。

一つの方法としては、気に入ったヘッジファンド型投信をチェックしておいて、基準価額が下がったところで逆張りで買っていくというものがあります。

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