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ファイナンシャルプランナーが投資信託などの分散投資を語る

ファイナンシャルプランナーが投資信託などの分散投資を語る

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(11/4/12 記述)

(日本経済新聞10/12/26から引用)
急激な円高に揺れた2010年もあと約1週間。個人に資産運用を助言するファイナンシャルプランナー(FP)10人に、今年の個人マネーの動向についてアンケート調査を実施した(中略)。
日本株の足を引っ張ったのが円高の急激な進行。(中略)円が主要通貨に対して全面高となったことで、個人マネーの外貨資産シフトが加速した。
外貨預金などと並んで個人マネーの受け皿となったのが、海外の低格付け企業が発行する債券に投資するハイ・イールド債投資信託や、ブラジルレアル、南アフリカランドなど主に新興国の高金利通貨で運用する通貨選択型投信だ。
馬養雅子さんは「リーマン・ショックで損失を抱えた個人投資家の資金が、挽回狙いでより高い分配金を求めて流れ込んだ」と分析する。
一方、同じ外債でも「グロソブ」など先進国の国債などで運用する投信は「金融緩和(超低金利)による金利収入の減少」と「ドル安、ユーロ安による為替差損」のダブルパンチに見舞われた。
(中略)平野康嗣さんは「グロソブしか持っていなかった人に比べ、高利回りの新興国株や不動産投資信託(REIT)に分散投資していた人は、資産全体ではプラスかマイナス幅を小さく抑えることができた」と指摘する。
(中略)新興国を含めた内外の株や債券に、不動産や金などのコモディティーを加えるなど、従来以上の投資先の分散が効果を発揮したようだ。
11年にとるべき投資手法としては、低コストのETFやインデックス型投信、バランス型投信を使った長期分散投資を中核に据えるべきだとの意見が大勢を占めた。
(中略)期待の金融商品・投資先を挙げてもらったところ、6人が日本株を挙げた。投信を通じた日本株の投資をするめる式町みどりさんは「11年も先進各国の金融緩和による資金の大量供給が続く前提に立つと、各国の株式市場は底堅そう。
特に割安感のある日本株への投資が増えてもおかしくない」とみる。
個別株派の前川貢さんは「日本株は『割安』から『妥当』な水準に向かう途中にある。10念堂用、200~400円の低位の株価水準で破綻リスクの小さい企業を割安場面で狙っていきたい」と話す。
(中略)日本株に次いで期待が高かったのが、日本のREIT(J-REIT)。(中略)紀平正幸さんは「物件価格の変動に比べ賃料は安定している。為替リスクもなく、利回りが5~7%あるのは魅力」と指摘する。
逆に「おすすめしない商品」を聞いたところ、大半の人が異口同音に強調したのが「仕組みが複雑で理解できない商品は買うべきでない」。
具体的にはハイ・イールド債投信や通貨選択型投信に対して「ハイイールド債は米景気が回復すれば、売られる可能性がある。人気通貨のブラジルレアルは既にかなりの割高水準」(中桐啓貴さん)など、価格変動リスクの高さを理由に新たな購入は見合わせるべきだとの意見が多かった。

ファイナンシャルプランナーは、資産運用や保険などについて相談に乗ってくれるお金の専門家です。例えば保険代理店を運営しているFPの方は多いです。

今回の引用記事は、FPが11年の投資戦略などを語っているという面白い記事です。

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○円高

まず、円高について。なぜ円高になると日本株が下がってしまうかと申しますと、輸出企業の多い日本では、円高になると輸出で稼いだ外貨の価値が下がってしまうからです。

もっとも最近は為替ヘッジを利用したりしてリスクを軽減している企業が多いため、円高はあまり株安に直結しないという意見もあります。

それでも、やはり80円近辺までの円高は多くの企業の経営にマイナスになってしまったわけです。ちなみに11年3月、東日本大震災の直後にドル円は76円台まで円高になりました。

そして、円高になれば日本経済に悪影響が出ますから、個人マネーが外貨資産へと流出したというわけです。


○ハイイールド債

次に、ハイイールド債投資信託について。ハイイールド債とは、格付けの低い、つまりリスクの高い企業の発行する社債などです。その分利回りは高いので、ハイリスク・ハイリターンの商品と言えます。

少額の資金で買うなら面白いかもしれませんが、利回りが高いからといってたくさん買うことは私はおすすめしません。


○高金利通貨

次に高金利通貨について。ブラジルレアルは金利が10%以上もつくそうですね。南アフリカランドも以前は非常に高い金利で有名でしたが、最近は国が政策金利を引き下げたので金利もそれほどでないそうです。

そして、この金利の高さを生かして、例えば新興国債券に投資する投資信託で、ブラジルレアル建てにするということがあります。すると、投資信託それ自体の収益だけでなく、レアルの利回りも得られるというわけです。

ただ、注意すべきは、こうした高金利もいつまで続くかは分かりません。現にブラジルも、高金利のために自国に外国マネーが流入し、レアルが高くなってしまいました。

すると、輸出に不利になります。そのためブラジルは、政策金利を下げたそうです。政策金利を下げれば、市中金利も下がるからです。

もう一つ、為替レートの変動により損失が出る可能性もあります。こうした高金利通貨は金利狙いで人気が高いので、多く買われていることが多いです。

しかし、いったん金利の引き下げなどになると、人気が無くなって売りが多くなり、レートが大きく下落する危険もあるのです。

こう考えると、外貨建ての資産を持つというのもなかなか難しいですね。かといって、分散投資を考える以上は、円建てに偏るのでは分散になりません。

そこで、1)円 2)ドルやユーロ、スイスフランなど 3)ブラジルレアルなどの高金利通貨 というように3つに分けるのもひとつの方法だと思います。

ちなみに、記事中にリーマンショックでの損失挽回のために高い分配金を求めてこうしたハイイールド債などに流れこんだとあります。

まさにそのとおりだと思いますが、損失を取り返そうとしてハイリスクを求めるのは危険が高いです。ハイリターンを追求して無理をしがちだからです。

やはり分散投資を考えるなら、長いスパンで地道に、ほどほどのリスクで行くべきでしょう。


○外国債券

次に、グローバル・ソブリン・ファンドなどの外債について。債券は一般的にリスクが低いと言われています。ただ、先進国の国債などは金融緩和によって金利収入が減ってしまったんですね。

最近、多くの国は自国通貨が安くなることを願っています。なぜなら、その方が輸出に有利だからです。また、自国経済を上向かせるために、低金利政策をとります。

金利が低くなれば、企業や個人事業主が金融機関から低金利で資金を調達できます。個人も住宅ローンなどを借りやすくなります。その結果、お金が回って景気がよくなるというわけです。

各国がそうした低金利政策を取った結果、国債などの債券の金利も下がったわけです。

また、前述のような自国通貨安に誘導する政策によって、ドルやユーロが安くなり、その通貨で建てていた外国債券投資信託も安くなってしまったというわけです。

やはりポートフォリオをつくって分散投資をする以上は、債券だけでなく他の金融商品も組み入れた方がよさそうですね。そもそも債券は利回りが低いことが多いですし。

ひとつの方法としては、記事にあるように新興国株投信や不動産投資信託(リート)などをポートフォリオに入れるというものがあります。

ただし、新興国の株式投信などはリスクも高いので、割合を少なめにするのがよいと思います。


○REIT

リートについては、日本と外国両方のものを買うのがよいと思います。日本のREITは記事にもあるように利回りが6%というようなものもけっこうあるので魅力的ですが、11年3月の東日本大震災のような事態によって、不調になってしまうこともあるからです。

ちなみに10年の秋に、日本銀行が金融緩和策の一環としてJ-REITを買い入れるということがありました。あれは間接的に不動産に投資することで、地価の下落を防ぐという狙いもありました。

地価が下がると、銀行などから融資をうけている企業が担保に差し入れている(抵当権などを設定している)と、その担保価値が減ってしまうからです。

そうなれば銀行などもお金を貸しにくくなりますし、企業も追加担保を求められたり、貸してもらったお金の返済を求められたりします。それは経済の停滞につながるからです。


○コモディティー

次にコモディティーです。すなわち金や原油、穀物などの商品です。私も金や原油などはポートフォリオに組み入れるのに適していると思います。

なぜなら、金は有事の金と言われるくらいで、戦争や災害などによって金融不安が起きたときに、安全資産として買われます。すると、株式などの下落と金の値上がりとをある程度相殺(ヘッジ)できるのからです。

原油も同じで、ガソリンなどの石油製品の値段が上がると、景気が冷え込み、株価などが下落します。そのときに原油を持っておけば、原油の値上がりで他の資産の下落をカバーできるのです。


○長期を見据えることが大事

次にFPの方々がETF(上場投資信託)やバランス型投信などを使って長期分散投資を核に据えるべきだとおっしゃっている点について。

これはやはり分散投資の王道と言える考えですね。長期で考えずに目先の経済の動向でポートフォリオの内容を変えてしまうと(ある程度は変更も必要だとしても)、なかなか成果を上げるのは難しいと思います。

そもそも分散投資はその名のとおり、国(日本、先進国、新興国など)や資産の種類(株式、債券、商品、不動産、デリバティブなど)を分散します。そして例えば日本が不景気になっても先進国の発展で補う、株式が下落しても商品で補う、というようなヘッジを目的とします。

そのため、原則として長期を見据えて資産構成を考えるべきで、短期で何かが起きたからといってポートフォリオを大幅に見直していては、ヘッジにならないはずです。

例えば先進国が軒並み不況になってしまったとします。だから資産の大部分を新興国の株式投信にしようというのはよくないと思います。

それだと、その後今度は新興国が不況になったときにリスクを減らせないからです。

やはりバランスを重視して、長期を見据えたポートフォリオを作るのが本筋だと思います。

次にETFについて。最近は金などの商品を扱ったりと多彩なETFが上場されています。空売りができることもあり、私も注目しています。


○金融緩和と株式市場

次に日本株について。式町みどりさんの「金融緩和が続くと、各国の株式市場が底堅いだろう」というのは、金融緩和をすると、市場にお金が多く流通します。

すると、第一に低金利でお金を調達して、高利回りの株などに投資する動きが出てきます。日本でも主に外国人投資家がキャリー取引というものを一時期盛んに行っていました

これは、超低金利の円を借りて、その円でもっと利回りの高い外国通貨や株式などに投資するというものです。

第二に、低金利政策が採られれば、その国の通貨や国債の利回りが下がるので、それを持っていてもうまみがなくなります。すると、高い利回りを追求して株が買われるというわけです。


○日本のリート

次にJリートについて。これは日本の不動産に投資する投資信託です。家賃収入や不動産の値上がり益が投資家に還元されます。

実物資産に投資するだけに、安全性は比較的高いといえます。個人が不動産投資を自分でするのは大変なので、リートは便利な商品です。

利回りも高く、記事にあるように5%以上のものが多いです。

一方、リスクもあります。第一に、不況によってテナントなどの借主が減り、家賃収入も減ってしまうことがあります。

第二に、前述の地震リスクです。残念ながら日本は地震が多く、11年3月にも東日本大震災が未曽有の被害をもたらしました。私も復興のためにできることをしたいと考えていますが、震災はリートにも少なからず影響をおよぼすでしょう。

もっとも、リスクのない金融商品はありません。リートは魅力的な商品ですので、なるべくリスクを減らすことを考えるしかありません。

その方法としては、やはり日本のリートと、海外のリートを組み合わせるということになります。


○理解できる商品を扱おう

最後に、理解できない金融商品は買わない、というのはまったくその通りです。最近も、規制の及ばなかった悪徳業者が、高齢者などに海外商品先物オプションを売りつけるという詐欺がありました。

その後、海外商品先物を扱う業者も法規制が及ぶようになりました。

それにしても、商品先物だけでも複雑な取引なのに、さらにそのオプション取引とは非常に複雑なものです。

こうした複雑な商品は、理解できるひとだけが手を出すべきです。また、どんな商品であれ「必ず儲かる」ということはありません。

私は分散投資は今のところ行っていませんが、行うならバランスをとって、何が起きてもある程度リスクを減らせるような資産構成にすることが大事だと思います。

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