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リスクヘッジや分散投資にETFを活用する方法

リスクヘッジや分散投資にETFを活用する方法

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(日本経済新聞11/1/10から引用)

日経平均株価などの様々な指数に連動する上場投資信託(ETF)が個人投資家の間に浸透してきた。
(中略)(インデックス投信との違いについて)インデックス投信の基準価格は1日に1度の更新だが、ETFは取引時間中に常に価格が動くため、市場動向や相場材料をにらみながら機動的な売買ができる。
インデックス型を含む一般的な投信と違い、ETFは空売りから取引を始められる。この利点を生かせば「保有株の損失リスクを避けるためにETFを役立てられる」(ファイナンシャルプランナーのカン・チュンド氏)。
例えばソニーやトヨタ自動車などの個別株を持つ人が「しばらく日本株が値下がりしそうだが、保有株は手放したくない」と考えている場合、日経平均や東証株価指数(TOPIX)に連動するETFを空売りする。
予想通りに日本株が下落しても、空売りしたETFを買い戻すことによる利益で保有株の損失を穴埋めすることができる。
ある程度のリスクを取れる投資家であれば、値動きが逆相関関係にある資産の買いと空売りを組み合わせ、二重の利益を狙うことも可能だ。
円安局面であれば、輸出増で収益拡大を見込める自動車や電機の業種別ETFを買い、収益が圧迫される電力のETFを空売りするといった取引が考えられる。
ETFとインデックス投信のもう一つの大きな違いが、運用コストだ。(中略)ETFは(信託報酬が)さらに安くなる。
その主な理由は信託報酬の支払先の違いだ。インデックス投信は販売会社、運用会社、資産管理を担う受託会社(信託銀行)の3者に支払う信託報酬が残高に応じて差し引かれるのに対し、ETFは販売会社分を負担する必要がない。
反面、ETFは初期投資額が数万~数十万円程度かかるものが多い。1万円程度から始められるインデックス投信より元手が必要だ。
(中略)ここ4年ほどで(ETFは)外国株や商品に投資するタイプを中心に急増し、国内上場の銘柄数は113本と、7.5倍に増えた。
投資家の選択肢が広がるなかで「玄人好み」の商品も出ている。
一例が2010年12月に国際投信投資顧問が大阪証券取引所に上場した「VIX短期先物指数」だ。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ、米株式相場の先行きに対する投資家の不安心理が高まると、指数が上昇する特徴がある。
相場の下落局面で損失回避目的に利用できそうな商品だ。
ネット証券で取り扱いが多い海外上場のETFならば、投資先はさらに広がる。楽天証券では120本を超える海外ETFを購入できる。
海外ETFには、インドネシアや南アフリカなど個別の新興国株に投資したり、「世界のインフラ関連企業株」「世界のクリーンエネルギー企業株」などテーマ別に投資したりできるユニークな商品が多い。
(中略)ただ海外ETFは販売手数料が高めで、頻繁に売買すると、コストがかさむ点には注意したい。
さらに投資経験が豊富な人の中には、ETFにデリバティブ(金融派生商品)を組み合わせた「カバードコール戦略」という投資手法を取る人もいる。
例えば日経平均が1万円の時、日経平均のETFを買うと同時に、日経平均を一定期間後に1万円で買う権利(コールオプション)を売ってオプション料を得る。
日経平均が1万1000円に上がれば、値上がりした1000円分は保有するETFの利益とコールオプションの損失で相殺され、オプション料が手元に残る。
1万円から値下がりすれば、値下がり分からオプション料を引いた金額が投資家の損失になる。
(中略)ETFを売買する際に注意したいのは、取引時間中に刻々と変化する「市場価格」と、ETFの保有資産の一口あたりの価値である「基準価格」という2つの価格が併存する点だ。
売買に直接かかわるのは市場価格だが、取引が低調で流動性が乏しかったり、反対に過熱しすぎたりすると、基準価格と乖離することがある。
とりわけ海外資産で運用するETFは乖離が大きくなりやすいとされる。
市場価格が基準価格を上回る場合は投資家がETFを割高な水準で買ったことになり、低コストというETFの特徴が帳消しになりかねない。
(中略)東京証券取引所は投資家が不利な価格での売買を強いられないように、3月をメドにリアルタイムで基準価格の推定値を算出し、配信するサービスを始める計画だ。

ETFの応用的な活用法を解説した記事でした。

当サイトでも、商品ETFをリスクヘッジに利用する方法などは以前に書いております。今回はカバードコールなどの複雑な投資法も紹介されており、参考になりました。

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○投資信託との違い

まず、投資信託は1日1回基準価額が更新されるのに対し、ETFは随時更新される点について。

この点は、多くても1日1回しか売買しない投資スタイルならあまり違いはありませんが、その日のうちでもなるべく安い時に買いたい、というような場合にはETFが有利です。


○空売りによって保有株をヘッジする

次に、ETFは空売りによって損失回避(リスクヘッジ)に利用できるという点について。これはとても重要な点です。

ほとんどの投資信託は空売りができませんが、ETFはカラ売りができます。

そこで、例えばトヨタ自動車のような日経225銘柄に採用されている銘柄を持っている場合、日本株全体が下がりそうだと思えば、日経平均に連動するETFなどを空売りすれば良いのです。

すると、保有株を持ったまま、ETFを売った時点で、だいたい保有株の株価も固定できることになります。

なぜそうなるのかと言いますと、トヨタや新日鉄などの日経平均に採用されている銘柄は、日経平均が下がれば株価が下がりがちだからです。

もちろん信用取引の空売りを使って、トヨタならトヨタだけを空売りするという手もあります。これなら空売りした時点で、完全に株価を固定できます(それ以降上がっても下がっても関係ない)。

ただ、複数の銘柄を保有している場合には、空売りも複数の銘柄でしなければいけません。その点、ETFによるヘッジなら、一つの日経平均連動のETFなどを空売りすれば足ります。

というわけで、ETFによる保有株のヘッジ(売りつなぎ)はなかなか便利だと思います。

なお、複数の国内株を株主優待獲得のために保有している場合も、ETFによる売りヘッジは便利です。これなら、保有株を手放さずにヘッジできるので、株価に一喜一憂することなく、株主優待がもらえるからです。

株主優待狙いで株を買ったが、株価が下がってかえって損をしてしまったということがありますが、これならその悲劇を防げます。


○コストが安い

次にETFのコストが安い点について。ETFは投資信託と違って、販売会社が売るのではなく、取引所を介して買うことになります。そのため販売会社への信託報酬が不要なのです。

ETFは最低購入金額が数万円から数十万円は必要という点は、確かに投信より不利です。ただ、株式でもそれくらい必要なことが多いので、そう大きなデメリットではないでしょう。


○幅広いラインナップ

また、ETFが従来の日本株中心から、海外株や商品(コモディティ)など幅広いラインナップになってきた点について。これはとても歓迎すべきことです。

例えば金のETFなら、株式や通貨、債券と違って金それ自体に価値がありますので、有事の際などに備えるうえで使いやすいと思います。

私は日本の財政が極端に悪化しているので、税収増と歳出削減に一刻も早く取り組まないといけないと考えています。

しかし、政局が不安定なこともあって財政再建はなかなか進まないようです。

そうすると、最終的には財政破綻やハイパーインフレが懸念されますが、それに備えるにはやはり金に投資するのが一番確実な方法だと思います。

記事で紹介されているVIXについては初耳でした。アメリカで投資家が株価の先行きは暗いと思えば、VIXが上がるそうです。

ということは、アメリカの株価が下がれば日本の株価も下がることが多いですから、日本株を持っている人も、VIX短期先物指数を買っておけば、ヘッジができるというわけです。

海外ETFも魅力的だと思います。私は今のところ行っていませんが、ポートフォリオによる分散投資を行う投資家には利用しやすいと思います。

例えば海外の先進国の株式ETFと同じく新興国のものを買ったり、いろいろな業種のものを買うという方法があるでしょう。

記事にあるように手数料が高いのは注意が必要ですが、分散投資の場合はそんなに頻繁に売買するわけではないので大丈夫なはずです。


○カバード・コールに活用

続いてカバードコール戦略について。これはなかなか複雑な手法です。ここではデリバティブの一種であるオプション取引と日経平均などに連動するETFを組み合わせた方法です。

まず、オプション取引では、一定期間後に日経平均などを買う権利(コールオプション)や売る権利(プットオプション)を売ることができます。

すると、権利を売った人は、買った人からオプション料(プレミアム)を必ず受け取ることができます。しかし、一方で権利を買った人が権利を行使すれば、その時点での相場がいくらになっていても、かならず応じなければいけません。

記事にあるようにコールの場合で考えましょう。ある人が1万円でコールを売ります。

すると、まずこの人はコールの買い手からオプション料をもらえます。しかし、気を付けなくてはいけないのが、オプションでの権利の売り手は、損失無制限である点です。

つまり、その後日経平均が1万2000円になって、買い手が権利を行使すると、売り手は日経平均を1万円で売らないといけません。

もし売り手が日経平均を持っていないと、市場で1万2000円で仕入れて、それを買い手に売ることになります。すると2000円の損が発生しますので、オプション料と相殺しても、大きな損が出てしまいます。

そこで、ETFで日経平均をあらかじめ1万円で買っておくわけです。そうすれば、1万2000円で買い手が権利行使しても、ETFも12000円に値上がりしているわけですから、オプションでの損失とETFの利益を完全に相殺できます。

そして、売り手はオプション料が丸々利益になるというわけです。

ただ、日経平均が下がった場合には、売り手に損が出てしまうのです。

具体的には、日経平均が1万円から下がれば、買い手は損になるので権利を行使しません。売り手はプレミアム料がもらえます。

しかし、ETFで買いヘッジをしているため、日経平均が下がったことでETFに損失が出てしまうのです。

これがETFによるヘッジをしないオプション取引であれば、売り手は日経平均が下がればプレミアム料が丸々利益になったわけです(その代わり値上がりしたときには損失無制限)。

ただ、カバード・コールの場合は、オプション料がもらえるので、日経平均の値下がり分をその分はカバーできるのです。


○市場価格との乖離

最後にETFの市場価格と基準価額との乖離について。これは使いにくいですね。

つまり基準価額とはそのETFの実質的な価値といえます。そのため、基準価額より市場価格が高いと、割高なところで買ってしまったことになります。

リアルタイムで基準価額の推定値が配信されるようになれば、市場価格が高すぎるということなどがわかりやすくなるでしょう。

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