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金利上昇は国内債券投信の価格にどう影響するか

金利上昇は国内債券投信の価格にどう影響するか

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(日本経済新聞10/5/3から引用)
株式や外国債券に比べると運用対象としては地味な存在の国内債券。金融危機時に無傷だったことや、債券の指数が長期的に安定上昇してきたことなどから見直す動きが出ている。
一方で財政悪化による金利上昇(債券価格は下落)の可能性を心配する声もある。
今後金利が上昇基調になった場合に国内債投資信託の価格はどんな影響を受けるのか、検証してみた。
「最近、投資額全体に占める国内債券投信の比率を2割強に増やしました」。神奈川県内の銀行員(35歳)はこう話す。過去はあまり投資していなかったが、「金融危機の際も底堅かったので見直した」。
社債を主体に運用する「ニッセイ日本インカムオープン(Jボンド)」。純資産は4月に入って5割強も増えた。
メガバンクの1年定期が年0.1パーセントを切る状況のなか、株式や外貨建て債券のようなリスク商品は避けつつ、預金より高い利回りを目指す人が買っているようだ。
国内債券の代表的指数で、多くの投資信託が運用基準に用いる「NOMURA-BPI総合」指数(構成比は9割弱が国・地方債などで1割弱が社債)は、長期間安定的に上昇している。金融危機時にも上昇基調を維持した。
しかしこれはあくまでも過去の成績。金利上昇への不安を背景に、国内債投資をためらっている人も多い。
債券の価格は金利が上昇すれば下落する。例えば金利1パーセントのときに発行された債券Aの利率は、通常そのまま変わらない。
その後、世の中の金利が2パーセントに上がれば利率2パーセントの債券Bが新たに発行されるので、利率の低いAは人気がなくなって価格が下落する。
償還までの期間が1年など短ければ、利率の低さが不利になるのは1年間だが、残りの期間が10年ならば10年間続く。
それをカバーするには金利変化に対し価格が大幅に下がる必要がある。つまり残存期間が長い債券ほど価格が大きく変動する。
このため組み入れた債券の平均残存期間が長いほど債券投信は値動きがおおきくなりがち。
残存期間の違いなどからくる金利変化の影響度は、より正確には「デュレーション」という数値で開示されている。大きいほど値動きも大きくなりやすい。購入の際にはチェックしたい。
さまざまな金利上昇パターンを想定し、国内債券投信の基準価額への影響を試算してみた。「1年後に金利が7パーセント上昇」といった極端なケースも含めた。
資産の前提としたのは、組み入れ債券の投資金額が償還までの残存年数(1から10年)ごとに等金額になるようにする手法。残存1年の債券が償還されると、その資金で新たに残存10年の債券を購入するという具合だ。
残存期間ごとの投資額を棒グラフにすると、同額ずつ並ぶ様子が倒したハシゴに似ているため「ラダー(はしご)型運用」と呼ばれる。多くの投信が採用している手法だ。
金利が上昇すると債券価格は下落するので投信の基準価額も当初は下がる。「7パーセント上昇」など、金利上昇が大きいほど下落も大きくなる。
しかし、時間がたつにつれて償還を迎えた債券の資金で、利率が上昇した後に発行された債券を補充する。すると、金利上昇で中長期的には組み入れ債券の平均利率が上昇していき、基準価額も上昇に転じる。
基準価額は組み入れ債券の価格変化だけでなく利息の影響も受けるからだ。
つまり投信で債券を次々に入れ替えていく限り、長期保有が前提なら、金利上昇は必ずしも不利とはいえない結果が出た。
意外にも思えるが「債券の運用では常識」(日興コーディアル証券の末沢豪謙チーフストラテジスト)だ。
もちろん財政悪化が金利上昇にとどまらず、日本国債が債務不履行(デフォルト)にまで至れば別。
しかし現時点では「長期金利が2パーセント近くまで上昇すれば、さらに買いたいと考えている機関投資家は多い。そこまで心配するのは尚早」(末沢氏)との見方が多い。
(同記事で紹介されている主な国内債券型投信は)基本的に国債運用が主体だが、国債より高い利率を狙いたい場合は社債主体のJボンドを選ぶこともできる。
市場平均を上回るのを目指すアクティブ投信は運用の失敗もありえる。心配ならインデックス型も選択肢になる。
もちろん国内債券投信は「低金利の中では信託報酬の負担も重く、大きなもうけを期待できるものではない」(ファイナンシャルプランナーの前川貢さん)。「年1パーセントプラスアルファ」程度を狙う「守りの運用」と位置づけるべきだ。

(引用終わり)

コメント:サブプライムローンに端を発したリーマンショック、それに続く世界同時株安は記憶に新しいところです。

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そして、国債や地方債などの債券は一般に株価との連動性が低いです。つまり、株価が大きく下がっても、債券の価格はほとんど影響を受けない可能性が高いといえます。

もし株式を保有していなくても、投資信託で株式を組み込んだものを保有していれば、株安のときにはその投信の基準価額も下がってしまいがちです。

そこで、安全性の高い金融商品として注目されるのが、今回の記事に紹介されている債券投資信託です。債券投資信託には国内債券に投資するものと外国債券(外債)に投資するものの2つがあります。

今回の記事で紹介されているのは国内=日本の国債や社債などに投資するものです。

このように安全性の高い国内債券投資信託ですが、記事にあるように金利が上がると債券の値段が下がります。すると、その債券に投資している投資信託の基準価額も下がってしまうおそれがあります。

そこで、例えば1年後に金利が7パーセントも上昇するというようなケースまで想定して投資信託の価格が下がってしまうかどうかを検証したのが引用記事です。

安全性を重視して債券投信を購入するのに、基準価額が大きく下がってしまっては元も子もありません。

そもそも債券投信は株式投信やリート(不動産投資信託)に比べれば利回りが低いのですから、そのうえ価格まで下がってしまえば「投資しないほうがよかった」ということになりかねません。

というわけで今回の検証は債券投信の利用を検討されている方に参考になるはずです。


ラダー型運用

まず、1年後に金利が7パーセントも上昇するというのはいくら日本の財政状況が悪いとはいえ、あまり考えにくいケースですが、記事にあるようにあえて最悪に近いようなケースも考慮して検証してあるわけです。

ラダー型運用とは、短期債(償還までの残存年数が長い債券)や長期債などの割合のいずれかが多かったり少なかったりせず、短期から長期まで等しい割合で投資する運用法です。

償還期の近い債券=短期債が償還されると、そのお金で長期債を買うので、いつの時点でもハシゴ型になるわけです。

さて、検証結果は、1年後に金利が7パーセントに上昇し、その後1年に2パーセント上昇した場合でも、記事中のグラフを見ますと7年後あたりには当初の基準価額を超えています。

すなわち、このケースのように金利が大幅に上昇したとしても、その投資信託を長期保有すれば基準価額が当初より下がったまま=損になる可能性はきわめて低いということになります。

この検証結果は国内債券投信に興味のある方にとって心強いものといえるでしょう。


日本国債のデフォルト

ということは、国内債券投資信託の一番の問題はやはり債務不履行(デフォルト)です。

私は、日本の財政事情が先進国の中でもずば抜けて悪く、また政府が財政再建に取り組む姿勢も今のところ十分でないことから、どうしても債務不履行を心配してしまいます。

そのため、当サイトでも国債は安全かで国債を買うのは私はおすすめしないと書きました。

もちろん、今後政府が財政再建に本気で取り組み、赤字国債の発行をすぐにはなくせないまでも大幅に少なくしていけば、少しずつでも国の借金を減らせますし、現在発行されている国債の金利負担も減っていきますから、財政は破綻せずにすむでしょう。

しかし、そうすることは大手術になります。緊縮財政になりますし、公共工事なども減るでしょう。景気が一時的に悪化する可能性は非常に高いと思います。そこまでの覚悟を持って財政再建に取り組む覚悟があるかどうか…。

11/7/5追記:消費税上げなどの財政再建は、国民の社会保険などに対する不安を払拭し、かえって消費を増やし、景気をよくするという考えもあります。

東日本大震災で日本は大変な状況ですが、一方で国と地方の借金は雪だるま式に増えています。やはりなるべく早く財政再建に取り組むべきだと考えます。


日本国債はハイリスク・ローリターン

こういったことを考えると、日本の国債中心に投資している投資信託も、ハイリスク・ローリターンかなと私は思います。

結論を申しますと、国債を中心に投資する国内債券投資信託は、金利が上昇しても10年ほどの長期投資で臨めば、基準価額が当初のものを下回る可能性は低いのですが、国債の債務不履行にまで至ってしまえば非常に危険です。

一方で、記事にあるようにしばらくは債務不履行になってしまうような事態にはならないと思います(あくまでも私の主観です)。

しかし、いずれは国債が債務不履行になってしまう危険性は少なからずあると思います。10年度の国家予算は、国債の発行額が税収を上回りました。

家計で言えば、巨額の借金のある家庭が、さらに年収よりも高い借金をしたということです。これでは借金が膨らむばかりです。

こうしたリスクを考えると、私なら国内債券投資信託をあえて選ぶ必要はなく、複数の(財政事情の良い)外国の国債などに分散投資する外債投資信託を選びます。

ただ、記事にあるように国内債券投資信託の多くは国債を基本に運用しています。ということは、日本の財政がさらに悪化して国債を償還できない、すなわち債務不履行(デフォルト)になってしまえば、非常に危険なことになります。

具体的に言えば、その投信の基準価額が限りなくゼロに近くなるか、ゼロになるでしょう。

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