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商品ETFの特徴とメリット、デメリット

商品ETFの特徴とメリット、デメリット

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金(ゴールド)やプラチナ(白金)などに投資する上場投資信託が増えてきました。商品先物取引の口座などをわざわざ開設しなくても、商品に投資できるので歓迎すべきことです。

(日本経済新聞10/5/31から引用、抜粋)

金や原油などの商品(コモディティー)に価格が連動する上場投資信託(ETF)が相次いで登場している。商品の値動きは一般に株価との連動性が低いため、分散投資の対象として関心が高まった。
「金の延べ棒(地金)を持っているが、保管の手間がかからず売買が簡単な金ETFに乗り換えようか検討している」(ネット証券の顧客の50代男性)。投資方法が多様化したことで、こんな投資家が増えている。
商品ETFが初めて国内市場に上場したのは2007年。商品への投資方法は従来、貴金属の地金を買うか商品先物へ投資するのが一般的だった。
しかし、証券会社を通じて下部と同様に売買できるETFが登場したことで、株式投資家も商品を手がけやすくなった。「地金への投資より手数料を抑え機動的に売買したいが先物で自己資金の何倍もの取引をするのは怖い」という投資家のニーズに合った商品といえる。
商品ETFの中で本数が多く最も売買が活発なのは金を対象としたETFだ。金は株や通貨からの資金の逃避先として買われやすく、金融危機時などに分散投資の効果が表れやすい。
4月以降にギリシャなど欧州の財政危機で世界的に株価が下落した際にも、金だけは上昇した。一方、原油は景気動向の影響をうけやすく、金と比較すると株と似た動きをしやすい。
同じ商品を対象にして値動きが似ていても、銘柄によって商品性が異なるので注意が必要だ。最も売買代金の大きい東京証券取引所の「SPDRゴールド・シェア」はニューヨークなど世界の5カ国に重複上場し、世界の金ETF残高の8割を占める。
管理会社が倒産しても投資家の資産が守られる仕組みを採用している。
一方、大阪証券取引所の「金価格連動型上場投資信託」は金相場に価格が連動する債券に投資するリンク債型で現物の裏づけはない。
東証の金ETFが10分の1トロイオンス(1トロイオンス=約31.1グラム)単位なのに対し、取引はグラム単位。
大証の「国内金先物価格連動型上場投信」もグラム単位の商品で、現物ではなく東京工業品取引所の金先物が運用対象となっている。
英国のETFセキュリティーズが運用している「ETFS金上場投資信託」は、英国と同じ商品を東証に上場するため「外国投資法人債券」という形態をとっている。
証券会社が年間取引の損益を計算してくれる特定口座では扱えない点に注意が必要だ。税金面でも株や一般的なETFと扱いが異なる。
原油のETFも多彩になってきた。17日には独自の原油価格指数に連動する「NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信」が東証に上場し合計3本になった。
ETFセキュリティーズが3月に東証に穀物や銅、天然ガスなど商品関連の14銘柄を一気に上場した。
新しいタイプのETFの販売も計画されている。三菱UFJ信託銀行は今夏に、金やプラチナなどの貴金属の現物(地金)と交換可能なETFを上場する計画。
SPDRゴールド・シェアは裏づけとなる地金がラージバー(約12キログラム)でロンドンの銀行に保管され、実際に個人投資家が現物と引き換えるにはハードルが高い。
三菱UFJ信託の新商品は国内倉庫に保管し、国内証券会社を通じて1キログラムバーと交換可能にする予定だ。
海外市場に上場する商品ETFに投資する手もある。「(ロンドンやニューヨークなどの)現地時間に商品相場を見ながら取引できる利点がある」(楽天証券の新井党外国株式事業部長)という。
ただ、専門的な知識が求められる場合があるうえ国内ETFと比べ売買コストは割高だ。
商品ETFの最大の弱点は金利や分配金などの定期的な収入がない点だ。インデックス投資アドバイザーのカン・チュンド氏は「商品投資は資産全体の5パーセント程度までにとどめるべきだ。実体経済が大きな損害を被ったときのための保険と考えるのがよい」と指摘する。
為替リスクにも留意が必要だ。国内市場に上場する商品ETFはドル建ての国際価格を円建てに換算して基準価額が決まるものが多い。
国際価格が一定でも、円高・ドル安になれば下げ圧力がかかり、円安・ドル高になれば上げ要因となる。

(引用終わり)

コメント:株式や債券などの種類の異なる金融商品を組み合わせてポートフォリオを作ろうという投資法では、リスクを減らすために商品を組み入れる場合も多いです。

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その理由は、一つは記事にあるように、株価との価格連動性が低いからです。

例えば日本企業の株価が全体的に値下がりしているときでも、商品は株価とは値が動く原因が異なることが多いために、商品の値段は下がらなかったり上がったりすることも多い、ということです。

もっと具体的に申しますと、商品は需要と供給のバランスが価格変動の要因です。そのため、株価とは関係なく、需要が多ければ値上がりする可能性が高いといえます。

もう一つの理由は、記事にはありませんが、価格がゼロになる可能性がほぼないからです。

例えばある企業の株式を買えば、その企業が倒産すれば株の価値がゼロになってしまいます。

しかし、商品はそれ自体に価値があるので、価格が0になるということはまずありません。

そのため、商品に投資するETFもまた、価値がゼロになることはまずないといえます。

その点で、商品ETFは安全性の高い商品だといえます。


○金の値動き

次に、記事にある金と原油の値動きについて。金は安全資産の代表格で、景気が悪くなって株価が下がると金が上がるということが多いです。

これは、金それ自体に高い価値があるので、株や通貨が危ないと考えた投資家が金を買うからです。

通貨も発行国がインフレになってしまったり、財政危機が懸念されたりすれば価値が下がります。ハイパーインフレになれば価値がほとんどなくなってしまいます。

そういった意味で通貨も決して安全とはいえません。

その点、金やプラチナ(白金)をはじめ、それ自体に価値のある商品は安全性が見込まれて恐慌などのときに買われやすいのです。

一方原油は、景気がよいときには経済活動が活発なため、多く使われます。つまり、需要が高まるので値上がりしやすいので、株価と同じような値動きになるというわけです。

ということは、原油は金と違って株価下落をヘッジするのには不向きで、逆に好況時の値上がりを狙って買ったりするのに向いています。

このように商品ごとに値動きの特性がありますので、それを知っておくことは商品をリスクヘッジに使う際などに重要です。

もし株価の値下がりや通貨の下落、国の財政破綻やハイパーインフレに備えるために商品を使うなら、やはりそうした場合に強い金や白金などの貴金属がよいでしょう。


○現物を買う代わりにETFを活用

記事に商品ETFでは金の人気が高いとありますが、それは上記のように安全資産の代表だからでしょう。

そして、金の安全性を見込んで金を購入する場合、以前は金の延べ棒などの現物を買っておくか、商品先物の金を買うという選択肢しかありませんでした。

しかし、記事にあるように金の延べ棒などは保管場所に困ります。なにしろ1キログラムで3-400万円ほどの値打ちがありますから、いくらコンパクトとはいえ、自宅に保管しておくのは防犯上危険すぎます。

すると、倉庫業者を使って保管してもらう、というのが現実的な方法になります。

しかし、それでも保管料がかかります。純金積み立てでも、保管料がかかるようです。

その点、金ETFなら現物を買うのではないので、保管場所や保管料に悩む必要がありません。この点は金ETFの大きなメリットだといえます。

○SPDRゴールドシェア

次に、「SPDRゴールド・シェア」について。記事によると、10年4月の売買代金が約80億円です。かなり売買されていますね。

金の現物が裏付けになっていて、管理会社が倒産しても投資家の資産が守られる、という点は心強いです。

ちなみにその現物はロンドンの銀行の地下金庫に保管されているそうです。

記事にあるように、地金が欲しいからロンドンの銀行まで行って最低約12キロの金塊を持って帰る、というのはちょっと現実的ではありませんが、現物の裏づけがあるということは、現物を持っているのと同様ですから、安心です。


○現物の裏付けのないETF

それから、現物の裏づけがなく、債券に投資するタイプの金ETFもあるんですね。

それではこのリンク債の発行元が倒産した場合には安全性はどうなってしまうのだろうか、と気になって調べてみました。

引用記事にも登場するカン・チュンド氏のサイトによると、あまり心配はいらないが、もしものときにはETFの価格が急落してしまうリスクがあるそうです。

ということは、リンク債型よりも現物の裏づけのあるETFの方が安全だといえます。


○国内金先物価格連動型上場投信

次に、大証(大阪証券取引所)の「国内金先物価格連動型上場投信」について。このファンドは、金の先物に連動するタイプです。

それではSPDRゴールド・シェアのような金地金価格に連動するETFと、先物に連動するETFとの違いはなんでしょうか。

私が思うに、例えば地金はあまり値段が上がっていないが、先物は将来を見越して値段が上がる、という場合があります。こうした場合には、先物に連動するETFのほうが基準価額が上がるでしょう。

もっとも、両者にそんなに差はないと思います。

一方、先物連動型のETFについて、「それなら商品先物取引で金を売買すればよいではないか」という疑問もあろうと思います。私もそう思いました。


○先物連動型ETFと商品先物の違い

ただ、やはり先物連動型のETFと商品先物取引とは、違いがあります。

第一に、商品先物取引をするなら専用の口座を開かなくてはいけません。その点、ETFなら証券会社に株式投資用の口座を開設していれば、ETFも売買できます。

第二に、レバレッジが違います。「ゴールド・シェア」は貸借銘柄で、信用買い/売りができます。そのため、株でいう空売りができる点は先物取引と同じですが、レバレッジを掛けると、「ゴールド・シェア」は約3倍なのに対し、商品先物では十数倍になります。

もちろん商品先物でも建玉数を少なめにすれば、レバレッジを抑えることができますが、基本的には上記の差になるわけです。

すると、商品先物ではレバレッジが高すぎるので、リスクも高くなってしまいます。これでは例えば金が安全なので金を買おうという投資家には向いていません。

そこで、「ゴールドシェア」をレバレッジを掛けずに買えば、リスクを抑えられます。

○空売りができる

ところで前述のように、ETF(上場投資信託)は貸借銘柄として信用取引ができるものが多いです(すべてのETFがそうかどうかは私は存じません)。

これはETFを売買するうえで大きなメリットです。つまり、価格が下がりそうだと思えば、「売りから入る」、すなわち株でいう空売り(カラ売り)ができるのです。

そのため、信用売りをした後、価格がその通りに下がれば、その差額が利益となります。

次に、外国投資法人債券について。特定口座が使えないのは、確定申告が面倒なので源泉徴収ありの特定口座を利用している人にはデメリットです。


○商品ETF

次に、原油や天然ガスなどの商品ETFについて。取り扱う商品が増えてくれることは、うれしいことです。場合によっては、リスクヘッジにも使えるでしょう。

例えば引用記事中の「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1699)は、信用売りもできます。

そのため、財政危機などで株価が下がると思えば、こうした原油ETFを空売りしておけば、手持ちの株や株式投資信託の値下がり損を防ぐ「つなぎ売り」(ツナギ売り)ができます。

というのは、株価と原油は連動することが多いからです。もっとも、こうしたヘッジは必ず成功するわけではありませんが。


○現物と交換可能なETF

引用記事中の現物と交換可能なETFはかなり魅力的です。現物が国内倉庫に保管されて、1キロから交換できます。そのため、地金を安全資産として買う代わりにこのETFを買っておけば、現物の保管のことを考えずにすみます。

また、もし現物が必要になれば、交換すればよいのです。


○海外市場

次に、海外市場に上場している商品ETF(海外ETF、外国ETF)に投資するという点について。これはなかなかハードルが高いですね。

引用記事にあるように、売買コストが高いですし、注文方法も国内のETFと異なります。私は国内のETFだけでも十分な気がします。


○商品ETFのデメリット、弱点

引用記事にあるように、商品ETFにもデメリットがあります。まず、金利や分配金がありません。

たとえば債券投資信託なら債券から得られる金利が分配されます。株式投資信託なら配当金が分配されます(分配型の場合)。

一方、金やプラチナには金利がつきませんので、そういった分配金もないのです。

もっとも、金やプラチナはそれ自体に確固たる価値があるので安全性が極めて高い、というのが最大の特徴です。そのため、安全性を求めて金などを買うなら、金利がないというのは仕方のないことです。

つまり、例えば通貨なら預金すれば金利がもらえますし、国債を買っても金利がつきます。しかし、通貨は為替レートが変動して安くなることもあります。さらにハイパーインフレになれば、通貨価値は大きく下落します。

国債も金利上昇などによって価格が暴落する危険があります。

そういった心配が金にはありません。その安全性を考えれば、金利がつかないというのはたいした短所ではないと私は思います。

なお、引用記事中で「商品投資は全体の5パーセント程度に」というアドバイスが紹介されています。

これは、商品も価格変動があり、また金利などがつかないというのが理由のようです。

確かに、例えば金は商品の中では価格変動の幅が大きいです。ただ、それなら株式も価格変動幅は大きいです。

また、商品には株式の配当や債券や通貨の金利がない代わりに、倒産やデフォルト(債務不履行)によって価値が大きく損なわれるというリスクもありません。

そのことを考えると、私はポートフォリオを組む投資法をするなら、商品の割合をもっと大きくしてもよいと思います。

例えば、金は不況や株安のときに値上がりする傾向があるので、株式投信と金ETFを組み合わせれば、リスクヘッジになります。

具体的なポートフォリオについては商品ETFを組み入れた安全性の高いポートフォリオをご覧下さい。

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