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ヘッジファンドの運用成績が改善

ヘッジファンドの運用成績が改善

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日本経済新聞に世界のヘッジファンドの運用成績が回復したという記事が掲載されていました。日本で扱われている投資信託以外にも、世界のヘッジファンドに興味のある方もいらっしゃると思うのでご紹介します。

(日本経済新聞10/2/16から引用、抜粋)

ヘッジファンドが市場での存在感を取り戻しつつある。投資家が実際に受け取る投資収益を示す「運用成績」は、世界全体のヘッジファンドで2009年に約19パーセントのプラスとなった。
6年ぶりの高水準で、マイナス11パーセントに落ち込んだ08年から大きく改善した。金融危機で混乱した市場がほぼ正常化したことで、裁定取引などで収益を拡大するチャンスが広がった。
運用成績はシンガポールの調査会社ユーリカヘッジがまとめた。
ヘッジファンドは株や債券のうち、先物相場などと比べて割安・割高になっている銘柄を売買する裁定取引を得意とする。
特に成績が良かったのは合併・買収など経営関連の重要な発表の際に株価変動に乗じて収益を出す「イベントドリブン」や、不良債権投資の「ディストレストデッド」という投資手法だった。
ヘッジファンドの運用資産残高は09年末に1兆4839億ドルと、08年末から114億ドル増加。
資金流入が目立つのは中国の株や債券に投資するファンドだ。運用成績は昨年5月に単月で過去最高の9パーセントを記録した。投資家が米国に投資するファンドを解約して資金を移す例も多いという。
中国人気の陰で、日本に投資するヘッジファンドの残高は09年末に131億ドルと08年末の152億ドルから減少。
日本株の割安な銘柄を買って割高な銘柄を売る「ロングショート」と呼ばれる一般的なヘッジファンドの数は09年末に181となり、1年間で13減った。
ヘッジファンドとは、機関投資家や個人の富裕層などから集めた資金を、金融派生商品などで運用するファンドのことを一般的に指す。
一部はリスクの高い運用に傾斜しているが、多くはヘッジ取引など複雑な金融技術を駆使して価格変動リスクを低く抑え、相場の上げ下げに関わらず安定的に収益を上げることを目指している。
株式や債券に投資するヘッジファンドは世界に8000本以上あるといわれ、売買動向が市場価格に影響を与えることも多い。

(引用終わり)

この記事によると、ヘッジファンドの運用成績は08年を除き、平均して十数パーセントのプラスなんですね。すごいですね。

それがさすがに08年の金融危機の時にはマイナス利回りになってしまったのですが、またプラスに回復したとのことです。19パーセントの利回りとはうらやましいです。


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○ヘッジファンドイコール危険ではない

この記事にはヘッジファンドの解説も付いていました。ヘッジファンドというと、「危険」というイメージがつきまとうのですが、それは必ずしも正しいわけではありません。

「ヘッジ」という名前が付いているように、空売りや保険つなぎを駆使してリスクを抑えた運用をするのが多くのヘッジファンドです。

しかし、中にはレバレッジを異常に高くして運用した結果、破綻してしまうヘッジファンドもあり、そこから危険なイメージが定着してしまったのでしょう。


○裁定取引

ヘッジファンドの運用法には多様なものがありますが、その代表的なものは記事にも登場する裁定取引です。

裁定取引とは、複数の金融商品の価格差の歪み(ゆがみ)に着目して、その価格差を利益にする投資法です。さや取り(サヤ取り、鞘取り)ともいわれます。

裁定取引の具体例を挙げてみます。例えば東京証券取引所と大阪証券取引所の両方に上場している株式の銘柄を探します。すると、ときとして東証と大証とで価格が異なることがあります。

こうしたときに、例えば東証での株価が高ければ東証でその銘柄を空売りし、大証で同じ銘柄を同じ数だけ買います。

理論上は東証と大証との株価がそのうち近付いていくので、理論上は利益が出るのです。

ちなみに、東証と大証と両方に上場している銘柄はけっこうあり、例えば任天堂などがあります。

ヘッジファンドの多くは、こうした裁定取引などの手法をコンピューターを駆使して行っているようです。


○ヘッジファンドと投資信託との違い

さて、日本には3000種類以上もの投資信託があるそうですが、投資信託とヘッジファンドとは何が違うのでしょうか。

投資家からお金を集めて運用するという点は同じですが、大きな違いはやはり運用方法にあります。


○相対リターンと絶対リターン

前述のように、ヘッジファンドの多くはヘッジ売り(保険つなぎ)を駆使しますが、日本の投資信託はほとんどがヘッジ売りや空売りは使いません。

そのため、ヘッジファンドは下落相場でも空売りを使って下げを取ります。その結果、相場の上昇局面でも下落局面でも利益を出すことを狙います。これを絶対リターンといいます。

一方、投資信託は空売りをまずしませんので、株価などの下落局面では基準価額が下がってしまうのをただ見ているだけになってしまうことが多いです。

そして、日経平均株価などのベンチマークよりも基準価額が下がらなければ、運用成績がよいとされます。これを相対リターンといいます。

しかし、例えば日経平均株価が20パーセント下がったところを、ある投資信託では15パーセントの下落にとどめたなら評価されるのですが、それでも15パーセント価格が下がって損になっていることには違いありません。

ここが投資信託の限界だと私は思っています。このことを考えると、ヘッジファンドは一般的には運用能力が高いといわざるを得ません。


○市場価格への影響

次に、ヘッジファンドが市場価格に影響を与えることもあるという点について。約130兆円の資金がヘッジファンドによって運用されているのですから、世界のいたるところで市場価格に影響しているのは間違いありません。

08年のリーマン・ショックと一連の金融危機のときにも、ヘッジファンドの資金が株式から商品に流れ込み、いろいろな商品の価格を上げてしまったことがありました。

そのことから、アメリカやヨーロッパなどでヘッジファンドに対する規制が強化されました。

また、有名なところではジョージ・ソロス率いるヘッジファンドが、英国のポンドに大量の売りを仕掛けて、ソロス側が巨額の利益を得たということもありました。

次に、ヘッジファンドの運用手法について。イベントドリブンは知っていましたが、ディストレスト・デットという方法は初めて聞きました。記事には「デッド」とありますが、誤字でしょう。

そこで、ディストレスト・デットについて調べたところ、NIKKEI NET ベンチャーに詳しい記事がありました(記事へリンクを張りたいのですが、NIKKEI NETがリンクを張られるのが嫌なようなので、リンクは張りません)。

その記事によると、ディストレストデットは、有利子負債の多い企業に対する債権を安く買い取り、まとまったところでその債権を株式に転換することを要求し、その結果その企業を手中に収めるという方法のようです。

すごい方法ですね。私は観たことがありませんが、ドラマ「ハゲタカ」に出そうな手法です。

記事にある「ロング・ショート」はマーケット・ニュートラルとも言われ、ヘッジファンドの代表的な手法です。割高な銘柄は空売りして、割安な銘柄は買うという方法なので、個人投資家でもできる手法だと思います。

ところでヘッジファンドの資金が中国に流入しているそうですね。中国は経済発展が著しいので、目先の利くファンド・マネージャーなら当然のことだと思います。

しかし、日本に投資するヘッジファンドが減ってしまったのは寂しいですね。


○ヘッジファンドを購入する方法

最後に、海外ヘッジファンドを購入する方法について。一つの方法としては、ヘッジファンド運用会社に直接問い合わせるという方法があります。

しかし、これは手続きが面倒で敷居が高いです。そこで、日本でもヘッジファンドを買える金融機関などが登場しています。

例えば、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(長い名前ですね)ではマンなどのヘッジファンドを取り扱っています。


○ヘッジファンドを購入すべきか

それでは、こうしたヘッジファンドを購入すべきでしょうか。もちろん一概には言えませんが、ヘッジファンドは下げ相場のときでも利益を出せるものもあり、また少なくともここ10年ほどの運用成績は全体としてはよいです。

そのため、投資信託よりも魅力的だと私は思っています。

ただ、日本の投資信託でも例えばETF(上場投資信託)の多くは空売りができますので、下落すると思えば空売りをすれば、相場の下落局面でも利益を出せます。

そこで、自分で運用のことは考えたくない、利益を出せるファンドに出資したいというのであれば、ヘッジファンドを購入するのも有効な選択肢だと思います。

逆に、自分で勉強してリターンの出せそうな投資信託を選んだり、または空売りも駆使して利益を出したいという投資家なら、国内の投資信託でも十分でしょう。

また、ヘッジファンドと一口に言っても、運用手法やリスクなどが千差万別です。そのため、購入するに当たってはよく説明を聞いたり、目論見書を読んだりする必要があると思います。

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